初めて着物が売れた日【思い出を教訓としてよみがえらせる】

販売スキル
さとし
さとし
私、さとし。
着物の営業・販売をしています。
この道15年、お客様とともに着物の輪を広げてきました。
今は、着物の店舗の店長をしています。

 

2005年の4月に大学を卒業した『さとし』は着物の業界にはいりました(^^)

希望とやる気に満ち溢れていた新社会人でした。

 

そんな高いモチベーションとは裏腹に、着物はそんなに簡単に売れるものではありません。

それでも、何とか成果を出したいとの思いで毎日、頑張っていた記憶があります。

 

そんな僕にも、初めて着物を売れた日があります。

 

初めての営業パーソンとしての契約です。

たしか時期は5月の中旬くらい、金額は30万円くらいの売上でした。

 

15年前の話ですが、そのお客様の名前は、フルネームで今でも覚えています。

 

いまだ忘れられないあの感覚ですが、このエピソードの最後は綺麗なものではありませんでした。

今回はその時を思い返して綴ります。

超体育会系な営業集団【これが着物営業の本質】

僕が着物の店舗に配属になって教えられたこと、それは『売上至上主義』、体育会系も真っ青の根性論でした。

 

着物の知識など、教えられた記憶はありません。

 

朝の営業が始まる前に集合して、ひたすら呼び込みの練習です。

呼び込みと言えば聞こえはいいですが、その内容はお客様をつかまえる『キャッチセールス』です。

そして、つかまえたお客様に『着物の試着を頼み込む』その練習です。

試着ができたら『全力でおススメする』その練習の繰り返しです。

 

営業が始まれば、それらを全力で実行し続ける。

営業が終われば、ほぼ確実にみんなで飲みに行く

そんな毎日でした。

 

つらい毎日だった記憶ですが、仕事するというのはそういうものかもしれません。

始めて買ってくれたお客様は20歳の女の子でした

そんな日々が一か月半くらい続いたある日、そのお客様に出会いました。

 

その人は20歳の女の子、振袖を探していました。

振袖は着用する本人が買うことはめったにありません。

ただその人は、自分でお金をためて振袖を探していたんですね。

立派な20歳ですよね。

 

今考えればニーズのある簡単な販売なのですが、とにかく着物を買うことに前向きな姿勢にびっくりしました(着物屋が何言ってんの、って感じですよね(笑))。

僕がおススメすることはなかったですが、当時の店長と先輩社員のおかげで『初商い』を出すことができました。

 

本当に嬉しかったですね。

 

その晩に思わず、実家の母に報告したくらいですから。

なぜか嫌われた苦い思い出

そんな、忘れることのできない思い出の瞬間でしたが、その後の物語は順風満帆ではありませんでした。

 

そのお客様からは嫌われてしまいました。

なぜかはわかりません。

 

こっちの感謝の思いとは裏腹に、接点を持つたびに反応は悪かったです。

別にクレームになったわけでもなかったです。

 

初めてご縁を頂いたお客様でしたが、結局その振袖の納品を最後に、二度と会うことはありませんでした。

 

教訓とまとめ

どうして嫌われてしまったのか、その真因は今もわかりません。

自分なりに3つに絞って考えました。

①距離感を間違っていた
→なれなれしさ先行のコミニケーション
②自分で販売をしなかった
→責任感のなさが見透かされた
③着物サポートができなかった
→お客様の思いに寄り添えなかった

これが、あっているかどうかはわかりません。

着物は売ることも大切です。

 

そこに迷いはありませんが、それ以上にお客様の声を聞くことが大切なんだと思っています。

それがお客様との関係性で、最も重要な事なんだと思っています。

 

今も、その教訓を胸に『着物の営業・販売』を続けています。

 

そのお客様の本当の気持ちはもうわかりません。

僕のきもの街道はそれを探す旅なのかも知れません。

 

では、よき『きもの』ライフを(^^)y