着物の種類の知識【業界の戦略も暴露】

着物の知識
着物好きマダム
着物の種類ってどうしてこんなにいっぱいあるのかしら?
複雑だし、見分け方もわからないのよね…
さとし
そうなんです。
着物の種類は複雑で、多岐にわたります。
種類という軸だけでなく、季節や年代、帯などの要素も加わるともっとそれは複雑になるんですよね。
この記事は着物の種類の知識とTPOと見分け方、そして種類が多い理由をお話ししていきます。

その前に、少し私の自己紹介を…

さとし
私、さとし
・着物の営業・販売をしています。
・この道16年、お客様とともに着物の輪を広げてきました
・現在は独立し、着物の制作にたずさわりながら、全国で着物の提案をしております

この記事では以下の ことを中心に話を進めていきます。

・着物のTPO
・『色』『柄』『柄の配置』『形状』『家紋』というTPOを決める要素
・種類を多くした『呉服業界の事情』

記事を読み進めることで、着物の歴史的背景も知ることができます。

読み進めていってください。

着物の種類の知識【TPOって何?】

着物の種類の知識【TPOって何?】

まず『TPOとは何か』という言葉のおさらいです。

TPOとは…

時【time】
所【place】
場合【occasion】
これらに応じた使い分け

ということです。

着物には場面に応じた装いがあるんですよね。

『TPO』は変化する

前提として『TPO』は時代や取り巻く環境によって変化し、その変化のスピードは劇的に速いと言えます。

なので『あたりまえと思われていること』も、あっという間に変化したりします。

さとし
例えば、洋服の世界で『ビジカジ(→ビジネスカジュアル)』というのがあります。
ビジネスにカジュアル要素をいれたら、僕が新入社員のころ(約20年前)はぶっとばされました(笑)。
でも今は、『おしゃれで親しみやすい』ということで受け入れられているんですよね。
すごい変化だと感じています。

そしてそれは、着物にも当てはまります。

このことを前提に、着物の『TPO(=ルール)』について話していきます。

着物のTPOを決める要素

着物のTPOを決める要素とは一体なんなのでしょうか?

それは『色』『柄』『柄の配置』です。

補足で『着物の形状』と『家紋のあるなし』になります。

詳しくお話ししていきます。

着物の格の高さは『色』によって表されます。

最も格が高いとされている色は『白』ついで『黒』です。

留袖という着物の種類には『黒留袖』と『色留袖(黒以外の色)』があり、黒の方が格が高いです。

白は格が高すぎて、白装束(死装束→つまり仏様)などにあるように、一般的に着る色ではないんです。

色というものが着物のTPOを決める一つの要素となります。

着物の柄は無数にあります。

その中でも伝統あるおめでたい柄が、フォーマルの柄とされています。

さとし
本当に無数にあるので、説明していたらキリがないんですが、フォーマル着物に使われるのはおめでたい柄になっています。
むしろ次に説明する『柄』の要素の方が大事です。

柄の配置

着物仙人
スーツはスーツの形があり、ズボンとスカートは形が違うじゃろ。
洋服はその『形状』でTPOが決まるのじゃ。
『襟の無いシャツ』より、『襟付きのシャツ』のほうがフォーマル感が増すもんじゃろう。
だが、着物は『形状』ではほとんど『TPO』が決まらないのじゃ。
『着物の形状』というTPOを決める要素については後述します。

例えば、『留袖』と『訪問着』の見分け方は…

『留袖』は、裾周りに柄があり、上半身には家紋以外の柄はない
『訪問着』は、基本的に裾、左肩前左袖前、右肩後右肩前に柄がある

例えば、『訪問着(フォーマル)』と『小紋(カジュアル)』の見分け方は…

『訪問着』は、基本的に裾、左肩前左袖前、右肩後右肩前に柄がある
『小紋』は全体的に均等に柄がある
さとし
こういった柄の配置で着物のTPOが決まってくるんですよね。

着物の形状

着物の形状は基本的に一緒ですが、『振袖』はその袖の長さ(形状の違い)が着物の種類を分けている要素になっています。

後は、『広衿』『バチ衿』という衿の違い、袖の丸みの違いなどです。

さとし
着物より、帯の方がその形状の違いが種類の違いになっているんですよね。

家紋のあるなし

最後は『家紋』という要素です。

家紋がある方が、着物の格が上がります。

着物の種類が多い理由は『業界の事情』にあり

着物の種類が多い理由は『業界の事情』にあり
着物好きマダム
それにしても、着物って種類が多いのよねぇ…
さとし
着物の種類の多さには『呉服業界の戦略』が隠されているんですよね。

着物の種類が本当のワケ

着物仙人
着物の種類の多さには、売り手の『売りたい』という発想が隠されているのじゃ‼︎

特に着物はフォーマルにおいて種類が多く存在します。

種類を多く用意し、そこに細かいルールがあれば『数を持つ理由』が生まれるからです。

着物のルールは『この場面ではこれ』『これなら間違いない』『恥かしくないのはこれ』という具合に型が決まっているのです。

この『恥ずかしくないのはこれ』という概念は、日本人の特性をよく表してると思います。一昔前の着物屋は、これを言うだけで着物が売れました。
というより今もその傾向は残っています。
さとし
広がりゆく洋服の中で、『フォーマル需要』で生き残りをかけた呉服業界の戦略なんですよね。
別の言い方に変えると『呉服業界のブランディング戦略』ですかね。

男女で違う着物の種類の『数』

男性用の着物の種類は、女性のそれと比べて圧倒的に少ないです。

男性用は、フォーマルとカジュアルのおおまかな違いしかありません。

さとし
先ほどの戦略から考えると、着物の商売における『ターゲット』は女性に絞られているということなんですよね。

歴史的な背景を探ると、明治維新以降、男性のほうが洋装化が早く進みます。

公な場面に出る男性のほうが、西洋に並んでいくための洋装化が進むんですね。

だから『女性の着物』のほうが、種類的にも発展していくんです。

洋服で言えば、男性のほうがフォーマル需要が多いんです。

『TPOは、商売の要素と切り離して考えることはできない』と言えるんです。

まとめ

ということで『着物の種類の知識』をお話ししてきました。

衣類は誰かに着てらうことで発展し、バリエーションも豊富になります。

着物はその地位をどんどん、洋服に脅かされているんです。

フォーマル需要はどんどん狭まります。

さとし
だから、着物はもっとカジュアルに舵を切っていかないといけないんですよね。
それを思いながら、私も活動を続けているんです。

 

では、よき『きもの』ライフを(^^)y