【完全解説】着物の種類〜見分け方にも言及〜

着物の知識
着物好き女子
着物っていろんな種類があるわよね。
種類がたくさんあって細分化されているし、見分け方もよくわからないのよね。
着物の種類について詳しく知れたら嬉しいわ。
着物好き男子
男性着物でも同じことが言えるんだよね。
詳しく知りたいですね。
さとし
着物の種類分けは、そのまま着物のTPOにもつながります。
なので、着物の種類を詳しく知れたら、どういった着物をどういったところで着るべきなのかも詳しくわかります。
この記事では、そんな着物の種類を画像も交えてわかりやすく解説していきます。

内容に入る前に、少しだけ自己紹介を…

さとし
私、さとし。
・着物の営業・販売を17年しています
・着物の店舗運営(店長歴)11年
・現在は着物の制作にたずさわっています。

この記事では、以下のことがわかります。

・『着物の種類』を画像を使って一覧で解説
→見分け方も同時解説
・男性着物の種類を画像を使って解説
→女性の着物と比べると少ない歴史的背景
・季節によって使い分ける着物の種類の解説
→本来あるルールと、実情もあわせて変わりゆく着物の着分け

この記事を読むことで着物の種類を詳しく知ることでき、自分に合った着物を探すことができます。

種類と用途が分からなかった着物も、どういった物なのかがわかるはずです。

読み進めて確認してみてください。

【画像】着物の種類の一覧

【画像】着物の種類の一覧
さとし
それでは、着物の種類を画像で解説していきます。
以下は紹介していく順番になります。
・黒紋付(くろもんつき)=喪服
・黒留袖(くろとめそで)
・色留袖(いろとめそで)
・振袖(ふりそで)
・訪問着(ほうもんぎ)
・付下(つけさげ)
・色無地(いろむじ)
・小紋(こもん)
・紬(つむぎ)

黒紋付(くろもんつき)=喪服

黒紋付(くろもんつき)=喪服

まずは、黒紋付です。

礼装の着物ですが最も格が高いので、主に不祝儀(=お葬式やお通夜)に使われることが多い着物の種類になります。

着物好きマダム
不祝儀に使う場合は、帯も黒系で統一するのよね。
さとし
金銀の豪華な帯を締めれば、お祝い事にも着ることのできる着物なのですが、現在ではやはり不祝儀に着るのが主な用途となっています。

見分け方は、上半身に『5つの家紋』があるということと、黒一色の柄のない無地であるということです。

黒留袖(くろとめそで)

黒留袖

黒留袖は礼装の着物で、主な用途としては結婚式になります。

さとし
格が高いので、新郎新婦に非常に近しい親族が着る着物として一般的に定着しています。
着物好きマダム
というより、大体は母親だけが着るわよね。
昔は親族の女性は全員着ていたものだけど…
黒留袖

見分け方は、下半身のみに絵羽状(縫い目を渡って柄がつながっている)の柄があり、上半身は黒紋付と同様に、『5つの家紋』が入ります。

それと名前の通り『黒』であるということです。

色留袖(いろとめそで)

色留袖

色留袖は黒以外の色の留袖になります。

さとし
用途は礼装で、黒留袖より一格下がるとされています。

柄の構成は黒留袖と一緒で、柄は裾に絵羽模様となります。

色留袖
着物好きマダム
一見、訪問着とよく似ているんだけど、上半身に柄がないというのが見分け方ね。

振袖(ふりそで)

振袖
さとし
着物の女王とも言うべき振袖です。
ミス(未婚)の女性の第一礼装になります。
成人式や学校の卒業式、親族の結婚式などの華やかな礼装着として使われます。

振袖は全体的な絵羽模様になり、最大の特徴は『袖の長さ』になります。

着物好きマダム
袖の長さによって『本振袖』や『中振袖』と言ったりするわよね。

これらの特徴そのものが振袖の見分け方であり、これを間違う人はいないでしょう。

訪問着(ほうもんぎ)

訪問着

訪問着は留袖や振袖と比べると格が下がる、準礼装着として使われます。

さとし
自分が主役ではないお呼ばれの式典などで着ることのできる訪問着は、使用頻度の高い礼装着であると言えます。
訪問着

柄は全体的な絵羽模様になります。

さとし
下半身の裾、そして上半身では左肩前、左袖前、右肩後、右袖後に柄のボリュームがきます。

訪問着と一言に言ってもその形態と用途は様々で、柄の分量の多い少ないで着る場面を調整したりもします。

付下(つけさげ)

付下

付下は略礼装とされる着物の種類になります。

さとし
訪問着よりカジュアルダウンした着物ということで、おしゃれにも着ることのできる着物として重宝されています。
付下の着姿

付下と訪問着の違いを説明するのは難しく、付下の方が柄が少ないということや、付下は反物の状態で販売されている(仕立て上がると同じだが)ということとなっています。

付下 反物

上記の写真は柄が反物を跨いでいない付下になります。

本来はこういったものを付下と呼んでいましたが、上述の通りその傾向も無くなってきているのが現状になります。

訪問着と付下の見分け方

さとし
現代の訪問着と付下の見分け方は非常に難しく、仕立て上がっている状態ではもうわからないんですよね。

なので、両者の見分け方は『柄の分量の多さ』で何となく見分けるしかありません。

着物好きマダム
使う用途はほとんど一緒なので、躍起になって見分ける必要なんてないのよね。
付下訪問着なんて種類も出てくるくらいで、特にその見分けに神経を使う必要はないわ。

色無地(いろむじ)

色無地

色無地は万能系の着物で、読んで字のごとく『無地』の着物になります。

さとし
無地なので、帯次第で用途を幅広く使うことができる着物になります。
紋を入れることによって、格が大きく上がります。

染めは一色の無地ですが、地柄によってはカジュアル要素が強いものもあり、こういった色無地を『無地小紋』と呼んだりもします。

小紋(こもん)

小紋

小紋はカジュアル用途の着物の種類になります。

さとし
柄は全体柄になり、全体に均等に柄が来るのが特徴になります。
小紋

小紋も非常に多岐にわたる色目や柄付があります。

柄や色目によってフォーマル感が強くなるものがあったり、その逆もあります。

この多様性がカジュアル着物を楽しむ醍醐味ともなっているのです。

紬(つむぎ)

さとし
紬とはこれまで紹介した着物の種類とは、その素材に違いがあります。
これまでの着物の種類は白生地に染色などの技法で柄を描く、『後染め』と呼ばれる着物です。
紬は糸を染めて織り上げる『先染め』と呼ばれる着物の種類になります。

蚕から生糸を取り出す際に、生糸としては使えない部分や余ってしまう糸が出てきます。

元々の紬はそんな『クズ糸』と呼ばれる糸を再利用して、生地を作ったのが始まります。

各地の絹織物の産地では同じように紬も作られていて、今ではその地域の風土と合わせて着物としてのブランドとなっているのです。

着物好きマダム
紬はおしゃれ着物の究極で、憧れなのよね。

【男性版】着物の種類

【男性版】着物の種類
さとし
女性の着物の種類を紹介してきましたので、次は男性の着物の種類を紹介します。

男性着物は女性着物と比べるとその種類は少ないと言えます。

これには、洋装化が女性より早く進んだ男性の歴史的背景が関係しています。

さとし
明治時代になると、西洋の装い(洋装)がどんどん日本に入ってきます。
特に官公庁ではいち早く洋装化が進み、そこで仕事をしていた男性の洋装化が進んでくのです。
フォーマルの場面で男性が洋装、女性が和装である場面が多いのもこういったことが影響していて、種類の数にもそれが表れているのです。

そういったことも踏まえて、男性の着物の種類を見ていきましょう。

男性着物の種類【フォーマル】

まずはフォーマル用途の男性着物です。

黒紋付羽織袴(くろもんつきはおりはかま)

黒の無地の着物に『家紋』をつけて、同じ素材の黒の羽織(これも家紋入り)をはおり、『仙台平(せんだいひら)』と呼ばれるグレーの縞の袴を履きます。

男性着物の最上格で、主に『婚礼』などで着用します。

着物好き女子
伝統的な芸能や仕事などにおける式典で着ているのもよく見かけるわね。

色紋付羽織袴(いろもんつきはおりはかま)

これは『黒』以外の紋付羽織袴です。

袴は『黒』の場合は『仙台平』が定番ですが、『色』の場合は特に問いません。

これで『家紋』がつかなければ、略礼装になります。

お召(おめし)

さとし
この『お召』と呼ばれるのは、先染め(本来カジュアル)の着物でありながら、江戸時代のある将軍が好んで『お召になった』といういわれから、礼装にも使える男性着物とされているのです。

『そんなことするから、よくわからなくなるじゃん…』と言われてしまいそうですが、今も昔も影響力のある人の装いがTPOを極めたりするものなんですよね。

男性の社交着として広く愛用されているのが『お召』になります。

カジュアル用途の男性着物

カジュアル用途の男性着物を定義するのは少し難しいのですが、要素としては…

①家紋がない
②袴を履くとフォーマル感が強くなる
③後染めの着物より、先染めの着物のほうがカジュアル

というところになります。

アンサンブル

男性用の気軽なカジュアル着としては、アンサンブルの着物があります。

アンサンブルとは、着物と羽織を同一反物で仕立てた着物のセットになります。

着物好き男子
絹物のアンサンブルもあるし、ウールのアンサンブルなんかはカジュアル男性着物の定番だよね。

紬は全般的にカジュアル着物になります。

さとし
どちらかというと柄の少ないことの多い紬は男性の着物として適しているんですよね。

【決定版】季節ごとの着物の種類

【決定版】季節ごとの着物の種類

四季の移り変わりというのは日本の大きな特徴であり、着物にも洋服と同様に季節に応じた種類と装いがあります。

そんな季節ごとの着物の種類と着分けについて解説していきます。

季節ごとの着物の種類

着物は裏地をつけるかつけないかの『仕立て方』や、その素材の厚みによって季節で着分けます。

着物好き女子
洋服でも同じよね。

以下にまとめます。

袷(あわせ)
裏地をつけた着物の仕立て方、及びその形態の着物

単衣(ひとえ)
裏地を使わない着物の仕立て方、及びその形態の着物

夏物(なつもの)
絽(ろ)や紗(しゃ)といった薄地の着物、仕立てには基本的に裏地をつけない

さとし
主にこの3つの種類を、季節やその時の気候によって着分けているんですよね。

【補足】着分けのルール

さとし
上記の着物の種類は、その時の気候や自分の体感によって着分ければいいのですが、着物の世界(特にお茶の世界で生まれたルール)には、明確な着分けのルールがあるのでまずはそちらを紹介します。
1月〜5月→袷の着物
6月→単衣の着物
7月・8月→夏物の着物
9月→単衣の着物
10月〜12月→袷の着物
着物好き女子
随分、袷の時期が長いのね。
着物好きマダム
実際4月くらいから日によっては袷を着ると暑いものだし、時間帯によっても違うものよね。
さとし
ということで、このルールは体感として無理があったりするものなんですよね。

フォーマルの場面ではその会場で着ることもあり、袷で仕立てているものが多くなっています。

伸びてゆく単衣

さとし
最近は温暖化の影響や、カジュアルで着物を着る人が増えてきているというのもあり、単衣の着物を着る人が増えてきています。
着物好き女子
確かに、普段に着るんだったら軽くて機能的な着物の方がいいものね。
着物好きマダム
特に着物は、襦袢や肌着などを重ね着するし、いざ寒くなったら羽織などの上に着るものもあるし、着物自体は単衣の方が着やすいのよね。
さとし
加えて、単衣と袷の違いは裏地のあるなしなので、見た目にはそれほど変わりはないと言うのもあるんですよね。

こういったこともあり、単衣の着物というのは存在感が増してきているんです。

まとめ

ということで、着物の種類についてまとめてきました。

着物には様々なルールがあります。

さとし
ただ、そのルールは時代とともに変わったり、形骸化していったりもするのです。
なので、そのルールを押さえた上でもっと自由に着物を楽しめばいいんですよね。

この記事が着物を楽しむきっかけになるのなら嬉しく思います。

では、よき『きもの』ライフを(^^)y