●帯の種類とTPOが知りたい
●着物との合わせ方を知りたい
着物における帯の存在は重要です。

その前に、少しだけ私の自己紹介を…

・着物の営業・販売18年
・着物の店舗運営11年(店長歴)
・今は着物の制作にたずさわりながら、全国津々浦々で着物の提案活動をしています
以下の2点の内容で話を進めていきます。
・帯を仕立てる
この記事を読み進めることで、着物の全般の知識を知ることもできます。
目次
着物に合わせる帯の種類【4つの種類を解説】

帯には大きく分けて4つの種類があります。
●袋帯
●名古屋帯
●半幅帯
これらを詳しく解説していきます。
【着物に合わせる帯の種類】丸帯(まるおび)
『丸帯』は帯の中で、最も格の高い帯となります。
幅が一尺八寸五分(約70センチ)、長さが一丈一尺五寸(約450センチ)の帯になります。
帯として締めるときは、半分に折りさらに半分に折って締めていきます。
最上格の帯ですが、重くなり扱いづらいのと使用場面が少ないので、流通量は非常に少ないです。

ただ、婚礼の場面でも次に紹介する袋帯をするのがほとんどです。

そういったところからも、着用に適した帯ではないのが丸帯だと言えます。
【着物に合わせる帯の種類】袋帯(ふくろおび)
『丸帯』の約半分の幅で、裏を(基本的に)無地にしたのが『袋帯』です。
使いづらい『丸帯』を、昭和の初期に簡略化されてできあがりました。

袋帯のTPO
最初は『丸帯』の代理として作られたので、フォーマルがメインでした。
フォーマルの場合に使う『袋帯』はおもに…
・綴織(つづれおり)
・唐織(からおり)
・佐賀錦(さがにしき)
こういう技法のものです。

この流れは着物全体に言えることですよね。
カジュアル仕様の『袋帯』もあります。

現代の帯の主流というだけあって、非常に用途と数が多いのがこの『袋帯』になります。
一番売れる『袋帯』

振袖でもなく、訪問着でもなく、小紋でもなく、さらには『袋帯』以外の帯でもなく、『袋帯』が一番です。
これは、どんな『着物を扱うお店や業者』にも共通して言えるはずです。
『袋帯』のコーディネートを変えることで、着物のTPOや雰囲気を変えることができるのがその大きな理由です。
『着物一枚に帯三本』という言葉もあったりします。
どうあれ、着物のコーディネートを考える上で『袋帯』の存在は重要なんです。
【着物に合わせる帯の種類】名古屋帯(なごやおび)
『袋帯』より長さが短く『一重太鼓結び』になる帯です。
文字通り『名古屋』で考案されたので、この名前がついています。
基本的に『袋帯』より格が低く『カジュアル用の帯』として扱われますが、織りの『名古屋帯』はある程度の格調の席でも使用できます。
九寸(きゅうすん)名古屋帯
仕立てる前の幅が九寸(約34センチ)なので、こう呼ばれています。
名古屋帯といえばこちらを指します。
織りで作られているものと、染めで作られているものがあります。
塩瀬の染め名古屋帯が有名ですよね。
八寸(はっすん)名古屋帯
こちらは仕立てる前の幅が八寸二分(約31センチ)の名古屋帯になります。
地厚の生地を使うので、芯は入れずに両端をかがって仕立てます。
基本的にはカジュアル用途で使われる帯になります。
博多織の八寸名古屋帯が有名ですよね。
【着物に合わせる帯の種類】半幅帯(はんはばおび)
『半幅帯』は『袋帯』のさらに半分の幅の帯です。
細帯とも言われたりします。
簡略化されたカジュアルな帯で、ゆかたの着用時にもこの帯が使われます。
最近は長めのものが多くなり、色んな結び方ができるので、『半幅帯』の用途は広がりをみせています。
帯の仕立てについて

帯のいいところは、基本的に寸法がないことです。

帯を仕立てるためには、(一部の帯を除き)帯芯を使います。
そして端を縫い合わせるだけなので、仕立ても簡単なんですよね。
帯の仕立ての裏技
ここでちょっとした帯の仕立ての『裏技』を伝授します。

袋帯を2本の帯に仕立てる
『袋帯』は半幅帯の倍の幅なので、『袋帯』を半分で切ると『半幅帯』を2本作ることができます。
『袋帯』の中には左右で柄が違うものもありますので、そういう場合は全く違う2本の半幅帯を作れるんですよね。
さらに、『袋帯』を『半幅帯』と男性用の『角帯』にする事もできます。
一本の帯をカップルでシェアする、素敵な仕立て方ですよね。
着物や羽織を帯にする
古くなった着物や、寸法の合わない羽織などを仕立て替えて『帯』にする事もできます。
古い『黒の絵羽織』を『名古屋帯』への仕立て替えをお客様に提案すると喜ばれます。
もし希望があれば、専門の業者に尋ねてみるといいですよ。
まとめ
ということで『帯の種類』についてまとめてきました。
着物を着るためには、必ず帯が必要になってきます。
なので、帯のことを知るのは大事なことですよね。
そして『帯結び』は、着物の着付の醍醐味でもあります。
何かにつけて主役級の働きをするのが、帯なんですよね。
帯を知ることで、もっと着物を楽しむことができるんですよね。
では、よき『きもの』ライフを(^^)y
この記事では、そんな『着物に合わせる帯の種類』をお話しします。