
着物の営業・販売をしています。
この道、15年になりました。
これまでどんな時でも、お客様とともに着物の輪を広げてまいりました。
今は店舗の店長をしています。
着物は生きていく為に必要のないモノです。
なので普通に『モノ』としておススメしていても、絶対に買ってもらえません。
これは着物だけに言えることではないですよね。
モノがあふれているこの時代、お客様にモノを買ってもらうのは一筋縄ではいかないです。
今回はそんな着物の販売・提案においての重要事項を、以下の2点でお話しします。
②イメージをつける為の話術
もしかしたら、色んな営業に役に立つかもしれません(^^)y
発見を演出する【体験を通して】
誰しも人は、新しいことを探しています。
楽しいこと・感動することを発見したいんですね。
これが『好奇心』ってやつで、誰しもが普通の毎日よりも、自分らしい日々を送りたいと思っています。
人はやっぱり退屈には勝てずに、新しい刺激が欲しいと思うものなんです。
『新しい自分の発見』って、どんな人でも求めているものなんですよね。
着物の営業はその部分を、サポートすることなんですね。
着物は着てみることが何よりの発見です。
絶対に、いつもと違う自分が見つけることができます。
【試】着が大事 試すは体験だから…
着物って簡単に試着できるんです。
服の上からでも着てみることが出来るんですよ。
『美容衿』というもので衿の形を決めて試着すれば、着物はどんなものでも着用イメージがわかります。
不思議な体験なんですが、一度味わってみてください。
そうすると色々、発見があるんですよね。
この『お客様の発見』が、商売の為の第一歩になります。
この発見数(良いところ)が、お客様の『モノを買う』という行動の動機となります。
『おススメ』に入る前に、どれだけ『発見』してもらうかです。
これが販売員の努力であり、この努力を怠る販売員がお客様の支持を集めることはできません。
そして『発見』は『イメージ』につながります。
この努力の結果、お客様が『モノ』に対してポジティブな『イメージ』を持てば、商売の成功の可能性は格段に上がります。
『イメージ』をつける為のトーク術
『イメージ』してもらう為に、僕が実践している話法を紹介します。
①肯定
②緩和
③誘導
④質問
一番重要なのは②の緩和です。ここは押さえてください。
具体的に
まずは、お客様が持っている思いを『肯定』することから始まります。
まずは受け入れないと始まりませんよね。
この思いには、ポジティブなものもありますが。ネガティブなものもあります。
ポジティブ=憧れ・綺麗・着てみたい
ネガティブ=着ない・着れない・高い
お客様の『思い』を否定したら、話は聞いてくれません。
ポジティブ・ネガティブ問わず、まずは『肯定』です。
その後に、大多数の人はいきなり『誘導』するという失敗をおかします。
『だったら、こういうのもありますけど…』と。
お客様の『思い』に対する答えを示しているので、応対的には悪くないように見えます。
『誘導』は大切ですが、お客様の『思い』に対して、切り返すタイミングが早すぎるのが問題なんですね。
ここで、必要になってくるのが『緩和』(すごく簡単に言えば『雑談』)です。
別に関連性のない話題でも大丈夫です。
この場合はさらなるトーク力が必要になりますが、起承転結がありユーモアを交えた話なんかできたら最高ですね。
一気に耳を傾け、興味を抱くようになるはずです。
そんなことが出来なくても、その商品にまつわるうんちくや生産にかかわること、業界の環境なんかでもいいんです。
そんな話で興味を引き付けた後に、『誘導』・『質問』していく。
この流れです。
誘導は先ほどあった、切り返しての提案です。
最後の質問は『商品のおススメ』=『切り込み』ですよね。
その質問からでたお客様の答えに対して、再度『肯定』から始めていくんです。
『緩和』を上手に使えるようになれば、商売は前に進みやすくなるはずです。
つまり、本音の聞けた商談になるんですね。
これが、商売における会話の組み立ての設計図です。
絶対に参考になるので、使ってみてください。
まとめ
今の時代は商品力や説明だけでなく、『親和性』を求める傾向が強くなっています。
ただモノを買うだけではなく、どういう風にして選ぶか、誰から選ぶかが重要になっています。
なので販売の現場ではその『親和性』を高めるための『緩和』を鍛えて、お客様のふところに入らないといけないんです。
そうしないと商売は自動販売機で事足りる、そうなってしまうんですよね。
この手順が着物という必要のないモノを、販売し続けて得た僕の技術です。
そうして新しい発見の中で、納得してきものを買ったお客様が、着物を楽しんでくれているんです。
では、よき『きもの』ライフを(^^)y
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