着物屋で店長をしています。
着物の販売をかれこれ15年しています。
特殊な営業職なのですが、楽しいお客様に囲まれてずっと楽しくやっています、
見ている人は違和感を感じるのではないでしょうか?
見えやすさだけで言えば『着物』と表現したほうがいいと思うのですが、これは『こだわり』なんです。
自分の販売している商材をどういう風に表記するのか、重要なことですよね。
ここにはこだわりがあるからです。
頑固おやじみたいな話かもしれませんが、紹介させてください。
『着物』から『きもの』へ
『きもの』は基本的に『着物』って書きませんか?
そうですよね、この文字で表記するのが一般的だと思います。
『着物』とは漢字です。
対して『ひらがな』は日本で生まれた文字です。
平安時代かなんかに漢文を多用する男性貴族に対して、女性がその漢字を崩してひらがなをつくったんですよね。
うん、たしかそんな感じ。(清少納言とか紫式部の世界ですよね)
今、『きもの』を着ている人って大体、女性です。
女性が自分らしくおしゃれに『きもの』を楽しんでくれています。
ひらがな表記ってそんな『きもの』事情にもピッタリな感じがするんですよね。
もっと出てくる表記のしかた【呉服?和服?KIMONO?】
一方で『きもの』をあつかう業界のことを、呉服業界といったりします。
うーん『呉服』…。
『きもの』って日本の文字で、日本の民族衣装なのに『呉服』ってなったら、どこの国の衣装になるんだって感じになりませんか?
そして随分古臭い感じになってしまいますね。
『呉服』とは絹織物の呼称らしいです。
絹織物をつくる技術が、中国の呉という地方から伝わった、その技術で出来る反物(着物はこれから作る)からきて『呉服』というわけです。
確かに日本の技術は大陸から入って来たものが多いので、言ってることはわかりますが、もうそろそろ『きもの』を自国のアイデンティティーにしてもよくないでしょうか。
それに対抗して『和服』という表記の仕方もあります。
まだこれはピンときますね。
明治時代に洋服が入って来たので、それと混在しないために『和服』と呼びだした、ということです。
なんかしっくりきます。
個人的には『和』という言葉は好きです。
でもやはりそれでも『和服』は漢字です。
ここは『こだわり』を持ちたいんですよね。
そして『きもの』の未来を見据えて
『着物』って本来、着るものっていう意味ですよね。
洋服でも和服でも『着物』ではあるんですが、洋服が主流となっていくなかで『和服』=『着物』と置き換えられていったそうです。
だから『着物』なんですが、やっぱり日本人らしい柔らかい表記の仕方がいい!
ということで『きもの』なんです。
『呉服』→『和服』→『着物』→『きもの』 ほらなんか親しみが増しませんか?
今ではきものは海外でも人気です。
外国人は和文化が好きですよね。
今からの時代は『KIMONO』と表記する時代なのかもしれません。
そういえば、最近海外の下着メーカーが矯正下着に『KIMONO』と名付けて、大きな騒ぎになってましたね。
日本人は怒り心頭だったわけですが、自国の文化に誇りをもってるんだなと思い、嬉しい気分になりました。
だから皆さん、そんな日本の文化の『きもの』もっときませんか。
そう思う今日この頃です。
表記の仕方はこだわり!だから自信をもてるんです!
『きもの』に携わる者のとしては、こういう『こだわり』を持っていきたいなと思っています。
商売をしているとこういう思いに、賛同してくれるお客様もたくさんいます。
そういう人が『きもの』、そして和文化を広げてくれる人と思います。
和文化の発展が、僕の目指すべき方向性なんですよね。
では、よき『きもの』ライフを(^^)y
よろしくお願いします。
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