だから、色んな悩みが生まれますよね。
この記事では、そんな着物のクリーニングの基本事項をまとめていこうと思っています。
内容に入る前に、少しだけ私の自己紹介を…
・着物の営業・販売16年
・着物の店舗運営11年(店長歴)
・現在は独立して、着物の制作にたずさわっています
この記事では以下のことを解説しています。
・着物のクリーニングの価格の相場
・着物のクリーニングをどこに頼めばいいか
着物のクリーニングのよくある疑問と悩みの答えを網羅した内容となっております。
着物のクリーニングついての基本
まずは『着物のクリーニングの基本』をお話しします。
着物の一番の問題は縮みやすさ
まずは、「着物って家で洗えるのか?」という疑問ですが…
絹は『動物性の糸』からできていますので、縮みやすい性質を持っています。
なので、家庭で着物を洗うのはおススメすることができません。
水を通して洗濯すると『3センチ』くらい縮んでしまいます。
着物が縮むと『自分の寸法』に合わなくなりますし、『長襦袢』や『羽織・コート』なんかとも寸法の差異が出てしまいますよね。
一般的な着物クリーニングとは【メリット・デメリット】
着物の『洗い方』は様々なやり方があります。
大きく分けて『丸洗い(京洗い)』と『洗い張り』です。
説明していきます。
丸洗い(京洗い)【一般的】
着物のクリーニングで【一般的】なのはこの『丸洗い(京洗い)』という洗い方です。
お店の『クリーニングの価格表示』は、『丸洗い(京洗い)』のことを指していることが多いです。
『丸洗い(京洗い)』というのは、一言でいうとドライクリーニングのことです。
ドラム式洗濯機械と石油系溶剤で洗っていきます。
ただ下処理(部分汚れを落とす)と仕上げ(乾燥とプレス)をしっかり行います。
当たり前ですが、『単純に洗濯機で洗って干す』というイメージではありません。
・着物をそのままの状態で『洗う』ので価格が安い
・皮脂・ファンデーション汚れが落ちる
・プレス加工も行うのでシワが伸びる
デメリット
・落ちない汚れが多い(それを直すには別途料金がかかる)
洗い張り
着物をいったん解き、反物の状態にしてから『水』に通して洗います。
水に通して洗うので非常に綺麗になりますが、いったん解くということは、再度仕立て直さないといけないのでコストが高いんですよね。
・水を通すので非常に綺麗になる
・いったん解くので寸法の変更が可能
デメリット
・価格が高い(仕立て直しをする為)
技術の発展で、より安価で安全性の高い『丸洗い(京洗い)』が生まれてるんですよね。
着物のクリーニングの価格の相場『丸洗い6000円』(※要説明)
『丸洗い』の価格は大いに変動してきましたが、現在の相場は『6000円』というところです。
ズバリ言いましたが、これは『丸洗い』単体の値段です。
6000円より安い場合の理由
送料の負担がお客様にある
クリーニングの場合は、どういう経路をとっても『加工先』に着物を送り、そして送り返してもらわなければいけません。
その送料を『誰が持つのか』『どうやって送料負担をなくすのか』で価格は変わります。
インターネットで頼む場合は、送料がお客様負担になる場合が多いので、あらかじめ安めに価格設定をしている場合が多いですよね。
店舗の場合は、クリーニングを承った着物をまとめて送ることができ、さらにまとめて送り返してもらうことができて、最終的にはお客様に取りに来てもらうのでコストが安くてすんでいるんですよね。
付随加工を提案する
これは店舗の場合が多いですが、『安さ』を打ち出してお客様を集め『丸洗い以外の加工』を提案するというパターンです。
確かに『丸洗いだけでは落ちない』汚れはありますし、お客様の希望を聞けるので丁寧なやり方ではあります。
6000円より高い場合の理由
送料を含めて価格表示をしている
ここでも送料の問題がありますよね。
やはり移動費というのは、価格を決める時に重要な要素となるんですよね。
ある程度の汚れ落としを見積もりに入れている
着物を着用すると、何かしらの『汚れ』がつきます。
これは着物に限ったことでもないですよね。
特に、『衿元』と『袖口』には必ず汚れが付きます。
多少しつこい汚れは丸洗いでは『落ちない場合』があり、手作業になります。
この作業を見越して『価格に含んでいる』というパターンです。
クリーニングというのは『加工』です。
『加工』というのはしている段階で、予期せぬ工程を踏む場合があるんですよね。
「そんな予期せぬ工程はしない」というわけにはいかないので、その作業を見越して価格の設定をしているというパターンです。
多少高くはつきますが、言い換えれば『安心感』でもあるんですよね。
ブランド力がある
百貨店などは、そのブランド力があるので価格が高めな傾向にあります。
これも『ある程度の汚れ落としを見積もって』いたり、ブランド力がある分『入念な検査』をするというのもあるんですよね。
物事には安さだけではない『価値』があるものなんですよね。
価格についてのまとめ
今後技術がさらに進化したり、着物を着る人が増えていく(もしくは減る)ことでこの適正価格は変動があるかもしれません。
現状の適正(相場)を知ることで、『着物のクリーニング』をする時の参考になると思い、書かせてもらいました。
着物のクリーニングの方法【店舗かネットか】
では、着物のクリーニングをする時にそれをどこに持って行けばいいのかを解説します。
店舗に持っていく
着物のクリーニングを扱う店舗を紹介します。
②街のクリーニング屋さん
専門店のやり方
『着物の専門店』はショッピングセンターに入っているもところもあれば、路面店もありますし、百貨店にもありますよね。
どこの専門店でも、着物のクリーニングは受け付けてくれます。
定期的に『悉皆展(※名称は色々あります)』という企画をして、集客をするところもあります。
悉皆の職人が着物の『洗いを含めた加工全般』の見積もりをしてくれるんですよね。
『悉皆展(※着物クリニックと呼ばれたりもします)』に合わせて価格が安くなるところもあります。
もうひとつは、『悉皆職人』による付随加工の提案ができるというのがあるんですよね。
クリーニングは『クレーム』が多いという側面があります。
悉皆の職人がしっかり説明しておくというのは、お互いにとって『安心』であるという側面もあるんですよね。
街のクリーニング屋さん
数あるクリーニング屋さんでも、着物のクリーニングを受け付けているところがあります。
大体は、委託で専門店に発送しますので価格は若干高めです。
インターネットを利用する
今では、ネットでも着物のクリーニングを受けるところがたくさんあります。
一つリンクをつけておきます。
価格は3300円(送料は別途)と格安です。
気軽さで選ぶなら、やはりネットですよね。
最終的には家に届けてくれるので、忙しい人にはうってつけですよね。
インターネット着物クリーニングの未来予測
この『インターネットによる着物のクリーニング』は、これからどんどん増えていくと思っています。
サービスも充実していて、着物の状態を写真等でおさめて、加工の提案をしてくれたりもします。
インターネットによりさらに便利になっていくのは『着物の世界』も変わりはありません。
最後に
ということで、着物のクリーニングについてまとめてきました。
着物を着る人、そして着物を着て楽しみたい人にとってやはりそのクリーニングというのは重要な話ですよね。
ただ、着物自体もまだまだ身近でない分、『着物のクリーニング』も当然、身近とは言えないですよね。
その上で着物のクリーニングの『選択肢』は増えています。
便利で比較できるようになっているんですが、逆に言えば『だからこそ悩んでしまう』というのもあるかもしれません。
そんな中で、この記事が参考になれば嬉しく思います。
現代の住宅事情にも合わせた着物の保管の便利アイテムを紹介しています。
コチラも合わせて参考にしてみて下さい。
では、よき『きもの』ライフを(^^)y
・着物のクリーニングの価格の相場って?
・どこに持って行けばいいの?