【着物のクリーニング】染み抜きとは？〜種類・方法・値段〜

着物にシミがついてしまったんですけど、着物のクリーニングで『染み抜き』ってしてもらえるんですか？
そして染み抜きってどういったことをして、どれくらいの値段がかかるものなんですか？

着物の染み抜きには実に様々なやり方があります。
シミにも様々な種類があり、それに合わせて染み抜きのやり方も変えるからです。
なので、価格に関しては一概には言えませんが、その中でもある程度の目安というのは指し示せるんですよね。
そしてそれをわかりやすくするために、『染み抜きとはどういったものなのか』ということも解説しなければなりません。
そのあたりを網羅的に、この記事では解説していきます。

内容に入る前に、少しだけ自己紹介を…

私、さとし。
・着物の営業・販売を17年しています
・着物の店舗運営（店長歴）11年
・現在は着物の制作にたずさわっています。

この記事では、以下のことについて解説しています。

着物の染み抜きを理解することにより『シミを予防』し、『シミができた時の対応』がわかるようになります。

『着物を着ていく上での困った』を解消することができるでしょう。

読み進めてみて下さい。

【着物のクリーニング】染み抜きとは？〜シミの種類〜

着物の染み抜きの方法は、そのシミがどういったものなのかで変わります。

ということでまずは、シミには『どんな種類』があるのかを見ていきましょう

【染み抜きの種類】油性のシミ

着物を着た後には、必ずと言っていいほどファンデーションのシミが衿に付いてるわよね。

ファンデーションなどの化粧品は、油分を含んだ物質になります。

そんな油性の汚れは、同じく油性の石油系溶剤を使って落とします。

この後もそうですが、基本的に『同じ成分のもの』で染み抜きを行なっていくことが多いんですよね。

【染み抜きの種類】水溶性のシミ

着物を着てお食事した時は、こういったシミが気になるのよね。

水溶性のシミは文字通り『水に溶ける』ので、水洗いをしたり中性洗剤を使って落としていきます。

絹は水分によって縮む性質があり、洗剤も残留すると生地が痛む原因になります。
なので全ての染み抜きは『すぐに乾かす』や『残留成分を残さないように除去する』といったことが、重要になります

【染み抜きの種類】タンパク質のシミ

七五三やお宮参りの時に、こういったシミ汚れがついてしまうことがあるのよね。

タンパク質系のシミは、時間が経つと凝固し取れなくなったり取れにくくなったりします。

これも全ての染み抜きに言えることですが、この『早急さ』がシミの落としやすさであり、コストダウンの秘訣となります。

【染み抜きの種類】変色してしまったシミ

長く放置して『シミが定着してしまう』場合があります。
生地が変色しているということなので、これを元に戻すのは難しい作業になります。

やり方としては漂白して変色を落とすやり方や、色を上から乗せていくやり方、そしてこの両者を合わせるやり方などがあります。

いずれにしても専門的な領域になりますし、費用も多くかかることになります。

【染み抜きの種類】汗じみ

着物を着た後は汗がついちゃって気になるのよね。

汗も放っておくと、黄ばみや縮みの原因になります。

水洗いで落とす方法が一般的です。

【業者に頼んだ場合】染み抜きの方法とその料金

着物の染み抜きを専門でする業者は、どういったやり方を行なっているのかしら？
そしてやっぱりその料金は気になるわよね。

業者による『染み抜き』のやり方

重要なことは、そのシミが『どういった種類のものなのか』を特定することです。

それを特定することで、どういうやり方をしていくのかを決めていきます。

染み抜きのやり方

染み抜きといえば筆などを使って、シミの箇所を叩いてやるイメージがありますが、業者ではシルクガンという器具を使って染み抜きをしています。

その専用の器具で『シミの成分に合わせた染み抜き剤』を吹きかけ、同時に下からその溶剤を機械で一気に吸い取って行くというやり方です。

これによって溶剤とシミ自体を一気に除去することができます。

これによって『染み抜きにかかる時間』を大幅に短縮できることなります。
時間が短縮されると『作業を繰り返し行うこと』ができ、染み抜きの精度が上がるということなんですよね。

漂白・補正

通常の染み抜きで落ちない変色などの汚れは、その部分を重点的にいろんな手を使って直しておくことになります。

漂白は漂白剤を使って色素を落とし白くする作業、補正はシミを『落とす』というより、上から色をかけてシミ汚れを目立たせなくする作業になります。

専門的知識と技術を要する作業になります。

特に補正は『シミ自体に色をかけて柄にしたり』『染みを覆い隠すように金彩などをつける』などの、その状況と希望に応じた様々なやり方があります。

洗い張り

洗い張りは『着物を解き反物の状態に戻して全体を水洗い』していく作業になります。

全体的な水洗いなので『水溶性の汚れ』はかなり取れます。

着物が仕立て上がっている状態で染み抜きをするより、『解かれて反物になった状態の方が大掛かりな作業ができる』ので、水溶性のシミ以外でも染み抜きのでき上がりは良くなります。

洗い張りは同時に仕立て直しもするので、『シミの強い部分』を仕立て直しの際に目立たないところに移動することもできたりします。

【目安】染み抜きにかかる料金

染み抜きとは『作業』であるため、その料金については扱う業者によって違いがあります。
なのでこれから出す料金は『目安』として受け取って下さい。

染み抜き『一箇所』の料金

大体『一箇所500円〜1,000円』で染み抜きをしてくれます。

ただシミの定着度や範囲によっては、この料金以上になることがあります。

汗抜きの料金

いろいろ調べてみると、2,000円くらいでやってくれるところもあれば、ものによっては10,000円以上かかるところもあります。

この価格に差はやり方（部分的にするか、全体的にするかなど）によって変動していると思われます。

汗抜きを業者に頼む際は、そんなところも留意して下さい。

洗い張りの料金

洗い張りは着物を解いて水洗いすることで、料金は大体8,000円〜15,000円くらいです。

ただ洗い張りをしたら着物は単物の状態に戻っているので、着るためには仕立てをしなくてはならないので、その場合は仕立て代がかかります。

大掛かりな染み抜きになると、この作業が必須となったりします。

補正の料金【見積もりを要する染み抜き】

補正でシミを直していく場合は、その作業内容で料金が大きく変わる物です。

なのでそういった場合は業者などが『見積もり』を出し、それに応じてどこまでしていくのかを決めていくやり方が一般的です。

まとめ

着物の染み抜きについてまとめてきました。

この記事で解説したことを踏まえて、自宅で染み抜きをやり方もお話ししています。

以下の記事を参考にしてみて下さい。

▼自宅でできる『着物の染み抜き』を実践を踏まえて解説した記事はコチラ▼

〜簡単〜着物の染み抜きを自分でする【画像を使って実演】

2022年12月18日

着物をもっと快適に楽しむためには、お手入れは必須の項目です。

その手助けになれれば幸いです。

現代の住宅事情に合わせた『着物の管理グッズ』も紹介しているぞい。
合わせて、読んでみるのじゃ。
▼『キモノの休息』についての紹介はコチラ▼

『買う前に見て！』キモノの休息【クリーニング要らずで万能】

2022年10月16日

では、よき『きもの』ライフを（＾＾）y

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