【基本】着物の陰干し〜やり方と注意点を完全解説〜

着物の管理・保管
●着物の陰干しってどうやるの?
●着物の陰干しっていつやるの?
●陰干しする時の注意点ってありますか?

着物を大切に長く愛用したいなら、陰干しは必須です。

さとし
この記事は、そんな着物のメンテナンスの基本を解説する試みです。

 

内容に入る前に、少しだけ私の自己紹介を…

さとし
私、さとし。
・着物の営業・販売を18年しています
・着物の店舗運営(店長歴)11年
・現在は着物の制作にたずさわっています。

 

この記事では、以下の3点を掘り下げて陰干しについて解説していきます。

・着物の保管の基本は陰干し〜その重要性とは?〜
・陰干しのやり方〜『道具』『環境』『時間』〜
・陰干し中の着物点検事項

 

これを読めば、着物の基本的な管理方法は完璧です。

着物の陰干し【どうして陰干しが必要か?】

着物の陰干し【どうして陰干しが必要か?】
着物好き女子
どうして陰干しってしたほうがいいんですか?
さとし
着物を陰干しをする理由は、『湿気を払う』『虫食いの予防』『シミなどの点検』です。
どれも着物をいい状態に保つために大切なことです。

 

その中でも湿気は着物にとって大敵です。

さとし
まずは、それを考えます。
陰干しの重要性が分かるはずです。

【重要】着物の保管の最大の敵は『湿気』

着物は水分によって縮む傾向があります。

さとし
着物が縮むと『寸法が変わる』『表地と裏地が沿わなくなり弛みが出る』などの問題が起きます。
着物好き女子
それは困るわ…

 

さらに湿気は虫食いの原因にもなります。

さとし
湿気が多いのは、虫が住みやすい環境を作っているということでもあるんですよね。
着物好き女子
それは困るわ…

 

さとし
汗や外気によって、着物は湿気を吸います。
着物好き女子
天気にもよるけど、一日着物を着るとなんか『しっとり』なってたりするものね。

 

さとし
それをいち早く取り除くことが、陰干しの最大の目的であり、着物の保管の基本なんですよね。

着物の陰干し【やり方と注意点を画像を使って解説】

着物の陰干し【やり方と注意点を画像を使って解説】

そんな重要な陰干しですが、やり方は至って簡単です。

さとし
それを写真付きで解説していきます。

着物の陰干し【使う道具】

さとし
まず、陰干しに使う道具は『着物ハンガー』です。
着物ハンガーは長い袖をまっすぐにして干せるハンガーです。
着物ハンガーに掛けられた着物
着物好きマダム
普通のハンガーだと、着物の袖が落ちてシワになりやすいのよね。

 

洋服のハンガーで着物を干す
さとし
洋服用のハンガーだと、こうなります。
長襦袢はこういったハンガーでもいいかもしれません。

 

100均の『バスタオル用のハンガー』があります。

100均のハンガー

これも長襦袢を干すのにはいいんですよね。

 

さとし
とにかく、着物ハンガーを用意して袖を通して吊るすだけです。

着物の陰干し【環境】

さとし
陰干しは湿気が少ない乾燥している環境を選んで行って下さい。
着物好き女子
湿気が一番の大敵だから、そうよね。
晴れた日のお昼頃(1日の中で一番湿度が低い)が適しています。

 

着物好き女子
でも着用後が、都合よくそのタイミングって訳でもないし…
さとし
そうですよね。
着用後は大体、夜です。

 

それでも、できる限り乾燥した状態を保って陰干しをして下さい。

☆乾燥を保つために☆
✔︎エアコンをかける
✔︎サーキュレーターを回す
✔︎風通しをよくする

 

さとし
そして、陰干しというだけに光の入らない環境で行って下さい。
干している間は電気も消しましょう。

着物の陰干し【時間】

陰干しは2〜3時間を目安に行って下さい。

着物好き女子
一晩中、干すと思ってた。
さとし
環境を保てれば、そのくらいの時間で湿気は飛ばせます。
さらに干しすぎると着物にも負担がかかります。

 

特に振袖などの着物は重みもあるので、干し過ぎには注意が必要です。

さとし
下の写真のように、着物の裾を地面につけると負担を減らせます。

着物の陰干し【点検】

さとし
陰干しをしながら、着物の状態などを点検してみて下さい。

 

点検する箇所とポイントをまとめます。

衿元の汚れをチェック
さとし
衿元はファンデーション汚れがつきやすいポイントです。
陰干しでは取ることはできません。

ベンジンを使ってファンデーション汚れを取ることができます。

 

袖口をチェック
さとし
袖口も皮脂汚れがつきやすいポイントです。
気になるようだったら、染み抜きをしましょう。
裾の汚れをチェック
裾も泥はねがあるポイントです。

 

着物のシワ
さとし
着物のシワの状態も点検しましょう。
干すことで取れるシワならいいですが、残るようならアイロンをかけてもいいでしょう。
腰回りのシワを点検
帯を締めている下の部分の腰回りも、シワになりやすいポイントです。
注意して見てみましょう。

まとめと関連

☆この記事で話したこと☆
✔︎着物の最大の敵は湿気、だから陰干し
✔︎陰干しには着物ハンガーを使う
✔︎陰干しは乾燥した環境で2〜3時間行う
✔︎陰干し中にシミとシワをチェック

 

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では、よき『きもの』ライフを(^^)y