着物の種類『振袖』【成人式だけではないその用途と選び方】

着物の知識
着物好きマダム
振袖といえば『成人式』を思い浮かべるんだけど、それ以外の用途ってどういうものなのかしら?
そしてそんな振袖の選び方ってどうしたらいいのかしら?
さとし
振袖を着物のTPOで言うと『未婚の女性の第一礼装』です。
結婚していない女性が『式と名のつくようなフォーマルの場面』に着るものなんですよね。
そんな着物の女王というべき『振袖』の選び方は、やはり悩みます。
この記事では、『振袖』について網羅的に解説していきます。

内容に入る前に、私の自己紹介を…

さとし
私さとし。
●着物の営業・販売歴16年
●着物の店舗運営11年(店長歴)
●現在は独立して着物の制作にたずさわっています
●業界歴16年の中で、多数の振袖販売の実績があります

この記事では、振袖について以下の2点を掘り下げていこうと思います。

①振袖の歴史とその用途
②失敗しない振袖の選び方と価格

着物の悩み解決の助けになれば、嬉しく思います。

読み進めてみて下さい。

着物の種類『振袖』【意外と知らない歴史と用途】

着物の種類『振袖』【意外と知らない歴史と用途】

袖の長い着物というものは遥か昔からありますが、現在の振袖と呼ばれるような着物が出てきたのは江戸時代だと言われています。

長い袖は若い娘が舞踊をする時に美しく見え、やがて未婚の女性が振袖の袖を振ることで男性からの求愛の意思表示としても使われるようになります。

さとし
『振った』『振られた』という言葉はここから来ていて、長い袖を前後に振ると『嫌い』、左右に振ると『好き』という意思表示になったらしいんですよね。

若い女性らしい華やかな話ですよね。

こうして振袖は、『未婚の女性の第一礼装』として定着していくのです。

振袖の用途

着物好き女子
で、振袖ってどういうところで着れるものなんですか?

振袖の代表的な着用用途は以下の通りです。

●成人式
●卒業式や入学式
●結婚式やその披露宴
さとし
この辺りが主たる用途ですが、それ以外の式でも着ても問題ありませんし、『和のお稽古事』などをしている人は、その舞台や発表会などにも振袖を着用します。
お正月の初詣に来ていく人も多いですし、会社の初出勤は振袖で行くという文化が残っているところもありますよね。

とにかく、おめでたい華やかな席には振袖は合うものなんです。

【着物販売のプロが語る】失敗しない振袖の選び方

【着物販売のプロが語る】失敗しない振袖の選び方
着物好きマダム
失敗しない振袖の選び方ってあるのかしら?
適切なアドバイスをくれる人が、周りにいなくて困ってるのよね…

まず考えなくてはいけないのは、振袖を『どの手段で手に入れるのか』ということを明確にして下さい。

これが明確になっていないと、振袖選びは非常に苦労します。

振袖の揃え方には3つの手段があります。

①購入する
②レンタルする
③親族の振袖を譲ってもらう
③の親族の振袖を譲ってもらうのは、母親の振袖が主となるので『ママ振』と呼ばれています。
わかりやすい表現なので、この記事でもその言葉を使います。

ちなみに今の着物市場での割合は【購入2:レンタル4:ママ振4】ということです。

まずは、この3つのどの手段を使うのか、これを決めてください。

そうすると振袖選びは、とっても楽になるんですよね。

これを前提に、以下の3点で振袖の選び方をお話ししていきます。

①手段の選択はなぜ大切か
②3つの手段のメリットとデメリットとは
③やっぱり気になる価格の相場

手段の選択が重要な理由【振袖選びの苦労談】

着物好き男子
振袖って必要性があるから、選びやすいんじゃないんですか?
さとし
そう思われるんだけど、意外に難しいのが振袖の販売なんだよね。
選択肢が多い分、逆に悩んじゃうんだよね。
そんな振袖選びの苦労談を『振袖を販売していた視点』でお話しするね。

振袖選びには、色んな人が関与してきます。

こんなケースがあります。

●振袖の着用者=お嬢様
●購入者(お金を払う人)=お母様
●決定者(口を出す人)=おばあ様
さとし
このケースの振袖選びでものすごく苦労した覚えがあります。
お嬢様とおばあ様の好みが合わないし、お母様には予算があってなんでもいいわけではないし…
最終はお嬢様が疲れてしまって、『振袖はもう着ない‼︎』と言い出す始末です…

これじゃあ、せっかくの振袖選びが台無しですよね。

極端なケースですが、着物の場合それぞれの想いがあることが多いので、よくある話でもあるんです。

なので、事前に『着用者・購入者・決定者』を明確にして方針を決めておくと、振袖選びはスムーズに流れていきます。

さとし
これって本当に大事なことなんですよ‼︎

手段を明確にして、必要なものを考える

役割が明確になったら、そこから3つの手段【購入・レンタル・ママ振】のどれを選ぶかを決めていきます。

とにかく成人式は一生に1回の事で、これもご家族で話し合って決めておく方が振袖選びは楽になります。

この3つの手段には、それぞれメリットとデメリットがあります。

それを次に解説していきます。

3つの手段のメリット・デメリット

それでは、3つの手段の良しあしを考えていきます。

購入【全体の2割】

一番オーソドックスではありますが、人気がいまいち下がっているのがこの『振袖を購入する』という選択肢です。

成人式という晴れの舞台に、新調した振袖を着るというのは、まさに門出にふさわしい選択肢ですよね。

そして購入するということは、その後の活用もできるということです。

成人式以外の着る機会でも活用の範囲は広がるんですよね。

さとし
姉妹がいるのなら、兼用するということもできますよね。

デメリットとしては、保管の問題が挙げられます。

この保管の問題は深刻で、これが原因で『着物を持つのはイヤ』という人はたくさんいます。

現代の住宅事情などを考えて、振袖の保管にハードルの高さを感じるんですよね。

レンタル【全体の4割】

レンタルの良さは購入の真逆で、気軽さにあると思います。

成人式だけの振袖となるのであれば、レンタルするほうが楽チンですよね。

この需要は高くて、レンタル業者のそのサービスの質もどんどん上がってきています。

デメリットを上げるとしたら、長期的なレンタルができないということと、やはり誰かが着ているものですから、気分的なところでしょうか。

さとし
『想いには欠けるが、合理的である』そう言ったところでしょうか。
はれのひ問題

記憶に新しい2018年、振袖のレンタル会社『はれのひ』が、成人式当日に突然休業しレンタルする予定だった振袖を届けずに、振袖を着ることができないという事件が起きました。

これには、着物業界も衝撃が走りましたね。

これは『この会社の経営者の無責任さ』という以外、話すことはないのですが、業界の信頼度を落としたことと『レンタル』に対する不安を煽ったことは間違いありません。

ママ振【全体の4割】

さとし
自分の親族が着用した思い入れのある振袖を再利用できるという、最近はやりのシェアという概念を取り込んだ選択肢です。

大事にしていた振袖を、娘が節目の時に着用する。

『物語』としても素敵ですよね。

小物を変化させる(購入やレンタル)ことで、ベースの『ママ振』をアレンジすることもできます。

親子で、それを決めていくのも楽しいかもしれませんね。

このママ振の圧倒的デメリットは、寸法の違いです。

サイズが違う場合が結構あるんですよね。

さとし
「身長が変わらないから大丈夫」と油断は禁物です。
母世代と子世代では手の長さが違うことが多く、そして娘のほうが手が長い傾向にあります。

サイズ感があっていない(特に小さい)振袖は、かっこ悪いことこの上ないんです。

振袖によっては『寸法を変えることができない』ということもあります。

これは、その専門に見てもらうしかないのですが、着物のお直しをすると購入やレンタルより高くなるということもあるんですよね。

振袖の価格について考える

振袖の価格について考える考える

ここでは、私の視点で価格について考えていきます。

購入≪平均30万円≫

購入の上限はそれこそありません。

100万円以上するものもあれば、1000万円のものだってあります。

ボリュームゾーンは30万円です。

この価格で打ち出しているところが多いと思いますね。

ただ、それより安いものも多数存在します。8万円でフルセットを購入した人もいます。

レンタル≪平均15万円≫

レンタルもボリュームゾーンは15万円くらいです。

購入より、やや割安です。

レンタルの場合は、どこまでのサービスがつくのかというのもポイントになりますね。

それを加味して選ぶといいはずです。

ママ振

これは、すべてが譲られるものなら当然タダです。

ママ振には選択肢があり、どれを選ぶかで価格は変わります。

手段の選び方と同様に、方向性を決めるのが大切ですよね。

☆ママ振の方向性を考える
①振袖を起点にして帯を新しく購入する
②小物を変えて雰囲気を変える
③サイズ変更をする

まとめ

ということで、振袖の選び方をお話ししてきました。

成人式での振袖を選ぶことは、家族の『物語』であると思っています。

成長したお嬢様が、どういう思いで大人の仲間入りをしていくのか、そんな節目を演出しそれを家族で確認しあえる時なんですね。

みんなが気持ちよく、この節目を迎えることができるのが一番いいんですよね。

では、よき『きもの』ライフを(^^)y