●喪服って季節によって着分けるの?
●喪服の帯の合わせ方と結び方って?
●喪服を着る時の準備するものって?
●喪服に入れる家紋って、どこの家の紋を入れればいいの?
●喪服のお手入れってどうすればいいの?
●喪服ってどこまでの親族が着るものなの?
お葬式などの不祝儀は失敗できない席で、そこでは喪服と呼ばれる着物を着ます。
内容に入る前に、少しだけ私の自己紹介を…
・着物の営業・販売を19年しています
・着物の店舗運営(店長歴)11年
・現在は着物の制作にたずさわっています。
この記事では喪服に関する、知っておきたい7つを解説します。
・喪服には季節によって着分ける3種類がある
・喪服に合わせる帯は黒の名古屋帯で決まり
・喪服に入れる4種類の家紋
・故人との関係別の装いの解説
・喪服を着る時に準備する定番の小物
・いざという時に困らない喪服のメンテナンス方法
これさえ知っておけば、喪服で困ることはありません。
読み進めて、確認してみて下さい。
目次
着物の種類〜喪服とは〜【概要】
冒頭で喪服とは『黒紋付である』と言いました。
『黒紋付』とは名の通り、黒一色の無地で上半身に5つの家紋がはいる着物です。
だから、第一礼装の黒紋付を着られ、それが故に『喪服』と限定されるようになっていくんですよね。
ちなみに…
宝塚歌劇団では、黒紋付に緑の袴が正装となっています。
宝塚音楽学校では入学と同時にそれを揃え、卒業式にて着用するのが有名です。
よくある喪服の悩み【季節・帯・家紋・着る人】
続いて、喪服を着る時のよくある悩みについて解説します。
喪服の季節毎の着分けのルール
下の図を参考にしてください。
✔︎単衣とは裏地の無い着物
✔︎夏物とは透け感のある素材の着物
→喪服の場合は絽(ろ)という素材
それだけの種類を揃えると『経済的負担が大きい』かつ、『着ない着物を揃えてしまう』ことにもなります。
喪服に合わせる帯は黒の名古屋帯が一般的
フォーマルの帯は袋帯じゃないの?
喪服に入れる家紋について基本知識
喪服を着る時に、多くの人が家紋について悩みます。
喪服にどんな家紋を入れるかは、以下を参考にして下さい。
その家の風呂敷やお墓などに、家紋が入っていたりします。
嫁ぐ前に喪服を揃える場合に、そうすることは多いです。
→実家で作って持たせてもらったという意味がある
→みんなが喪服を着た場合、誰が嫁かがわかる
→離婚しても着用できる
女紋とは母から娘へ、女性のみに受け継がれる家紋です。
→西日本でその風習が残っている
→所属する家の家紋とは全く別物である場合もある
→東日本ではその風習が無いのと、時代の流れと共に無くなりつつある風習でもある
通紋とは広く使われる一般的な家紋
→『五三の桐』『木瓜』などが代表的
→喪服のレンタルなどは、通紋が入っている場合が多い
このどれかの家紋を、染め抜き日向紋というやり方で入れます。
→紋の柄の部分が白く抜かれた
喪服ってどこまでの人が着て行くのか?
親族については、通夜・告別式・一周忌までは喪服とされています。
さらに、友人などは通夜及び告別式に、喪服を着用します。
それってどんな着物なの?
無地感の落ち着いた色の着物に、喪服の帯を合わせることが多いです。
着物の種類〜喪服とは〜【着る時に必要なもの】
喪服に合わせる長襦袢は白で
長襦袢に襟がついていますが、これも白で無地を選ぶといいでしょう。
喪服に合わせる帯締め・帯揚げは黒で
喪服に合わせる帯締め・帯揚げは黒になります。
喪服に合わせる草履は黒で
草履も同じく黒です。
喪服に合わせる和装小物
一般的に外からは見えない小物を指します。
喪服の和装小物には、専用の黒い小物があります。
着物の種類〜喪服とは〜【メンテナンス】
ここでは喪服のメンテナンスについて、解説します。
着る機会がないので汚れてる
着用機会が少ない喪服を、箪笥にしまいっぱなしにすることで起こるトラブルです。
だから日頃の管理が重要なのよね。
以下のことを注意してみて下さい。
・喪服が汚れる原因は『湿気』
・定期的にクリーニングに出す(6000円程度)
まとめ
✔︎喪服は着物の第一礼装
✔︎季節のルールはあるが、冬用だけ揃えたら事足りる
✔︎喪服に合わせる帯は黒の名古屋帯
✔︎家紋は染め抜き日向紋で入れる
→『家の家紋』『実家の家紋』『女紋』『通紋』
✔︎基本的に喪服を着るのは親族が多い
✔︎襦袢は白だが、その他は黒で統一する
✔︎喪服は放っておいたら、汚れている
では、よき『きもの』ライフを(^^)y
着用用途は不祝儀(通夜や告別式・法事)で、かなり気を使う場面ですよね。
この記事は、そんな喪服(=黒紋付)を解説し、難しい場面での失敗を無くす試みです。