結婚式で着る着物の種類【2023年・今の着物選び】

着物の知識
●親族の結婚式に着る着物って?
●友達の結婚式に招待された時に着る着物って

結婚式に着物で行くと、非常に喜ばれます。

さとし
でも、どの立場の人がどんな着物を着るのか、悩みが尽きないのも結婚式ですよね。
ルールにうるさい着物も変化の一途です。
ということでこの記事は、結婚式に呼ばれた時に着る着物を、昔と今を比較しながら最適解を出す試みです。。

 

内容に入る前に、少しだけ私の自己紹介を…

さとし
私、さとし。
・着物の営業・販売を18年しています
・着物の店舗運営(店長歴)11年
・現在は着物の制作にたずさわっています。

 

この記事は以下の3点で、話を進めていきます。

・【前提】変わりゆくフォーマルの感覚
・親族が結婚式で着る着物
・結婚式に招待された人が着る着物

この記事を読むことで、今の結婚式における着物事情をお分かりいただけるはずです。

結婚式で着る着物の種類【2023年・今の着物選び】

結婚式で着る着物の種類【2021年・今の着物選び】
さとし
フォーマルとカジュアルの境目が無くなりつつあります。
着物好き男子
確かに、ビジネスの世界でも『ビジカジ』って言って、カジュアル寄りになってきてますよね。

 

かっちりとしたフォーマルは固いイメージで、『フォーマル色の強い結婚式』においても同様です。

着物好きマダム
男性のスーツも『黒のダブルに白ワイシャツ白ネクタイ』なんて、あまり見かけなくなったわ。

 

そもそも今は結婚式の形も変わってきています。

着物好き女子
確かに、パーティーウエディングというものがあったり、ラフなスタイルも増えているわね。

フォーマルの意識が低くなると、着物の装いも変化するのは当然です。

 

あわせて『着物の種類』も増加しています。

コーディネートでフォーマル感の『強弱』をつける着物も多くなりました。

 

さとし
この前提を持って、現在の結婚式で着る着物を考えていきたいんですよね。

【ルールばかりで考えると…】重くなる結婚式

着物好きマダム
それでも親族が結婚式で着る着物は、フォーマル色が強い着物よね。

 

ルールだけで考えると…

さとし
着物の最礼装は既婚の女性が『留袖』、未婚の女性は『振袖』です。

だから、お母さん・おばあちゃん・叔母さん・結婚している姉妹や従妹などすべて、すべ留袖の着用がルールです。

さとし
そして男性がブラックフォーマルを着ると、会場の大半が黒一色になります。
着物好き女子
ちょっと重たいわね…

 

花嫁だけが華やか、という利点はありますが場の重さは変わりません。

さとし
一昔前はそんな『黒一色の結婚式』もよく見かけました。

 

今は結婚式の演出としても、ルールに捉われすぎると範囲が狭まるということなんです。

結婚式で着る着物の種類【親族】

結婚式で親族が着る着物
さとし
私は着物の販売の現場で、結婚式の着物も扱いますが、今の感覚をお話ししていきます。

結婚式で着る着物の種類【母親】

さとし
今や母親以外の親族が、留袖を着ることはなかなかありません。
着物好きマダム
祖母が着る意識はまだあるけど、基本的には母親だけね。

 

そして着る機会が激減した留袖はレンタルが主流です。

少子化が進み、子供の結婚式でしか着ない留袖を購入する意味は、ほとんど無くなりました。

 

さとし
今では、母親ですら留袖の着用を嫌う傾向があります。
着物好きマダム
わかるわ。
どうせなら、色付きの華やかな着物を着たいもの。

 

ただ、結婚式における母親は2人です。

さとし
合わせないといけない意識の強い日本人には、留袖が着ることがまだまだ一般的なんですよね。

結婚式で着る着物の種類【姉妹】

『振袖』の着用は、いまだに人気があります。

着物好き女子
振袖は華やかで、結婚式にはよく合うのよね。
『着てみたい』し、『着て欲しい』とも言われるわ。
さとし
新郎新婦の姉妹が振袖を着用したら、高確率で受付を頼まれるものです。

 

さとし
ということで未婚の姉妹が着物を着る場合は、振袖一択のケースが多いですね。

 

着物好き女子
既婚の姉妹はどんな着物を着るんですか?
さとし
訪問着か色無地を選ぶことが多いですね。

結婚式に着る着物の種類【祖母】

さとし
おばあちゃんには、娘(新郎新婦の母)より出しゃばってはいけないと思う人と、自分がすべてをみないと気が済まない人の2つのパターンがあります。

前者は一歩控えた色無地を着ることが多く、後者は留袖や色留袖を着ます。

結婚式に着る着物の種類【その他の親族】

さとし
主に叔母ですが、これもカテゴリで言えば祖母枠ですね。

留袖を着用することは、ほぼありません。

結婚式に着る着物の種類【招待されたら】

結婚式に招待された人が着る着物
着物好き女子
結婚式に招待されました。
せっかくなので、着物を着て行きたいんです。
さとし
これも『ルール』と『販売現場での感覚』を解説しながら、最適解を考えます。

着物のルールだけを語ると…

さとし
結婚式はフォーマルの場面なので、親族でなくてもフォーマル着物を着ていくのがルールです。
着物好きマダム
礼装の着物と言えば、留袖から始まり、色留袖、訪問着、付下、色無地といったところね。
着物好き女子
親族と一緒なんですね。

 

さとし
ただ一般的なルールで言えば、招待客は主宰する側より格を押さえた着物を着用します。
着物好きマダム
相場は訪問着・付下・色無地ってところね。

現場で感じる今の感覚

さとし
招待される年代も関係しますよね。
着物好き男子
新郎新婦の友人は若いことが多く、かなり自由ですよね。
着物好き女子
小紋のようなカジュアル着物で参列する人も、普通にいるわ。
さとし
格調とかより、ファッション感覚で着物を着るという人も多いです。

 

職場の上司にあたるような人は、主賓格で招待されます。

さとし
そういった場合は、訪問着を中心としたフォーマル着物を着るのが、間違いがないとも言えます。

まとめ

ということで、『今の結婚式の着物事情』をお話ししてきました。

 

時代は確実に変わりました。

さとし
その流れを感じながら、自分らしく着物を着たらいいんですよね。

では、よき『きもの』ライフを(^^)y