
着物の営業・販売をしています。
この道16年、お客様とともに着物の輪を広げてきました。
今は店舗の店長をしています。
このブログでは、私の着物の知識と経験を活かしたあれこれをお話ししています。
着物も洋服と同じで、仕立てる時に『裏地』をあわせます。
当たり前のようについている裏地なんですが、その役割りは重要なんですよね。

一覧にしてみました。
着物をもっと詳しく知りたい人が知識をつける為に読んでみて下さい。
目次
裏地一覧
着物に使う裏地を一覧でご紹介します。
胴裏(どううら)
着物の裏側の『背の部分』につける裏地です。
着心地重視で『肌触りのいい生地』を選びます。
着物を着ると見えるところではないので、基本的には色は『白』です。
この『白』というところが曲者で、昔の着物は白が黄変していることが多いんですよね。
八掛(はっかけ)
八掛は着物の裾(すそ)と、袖口(そでぐち)から、少しだけ見える裏地です。
見えるので、着物にあわせた色合わせをします。
上前・下前の『衽(おくみ)』、左右の『前身頃(まえみごろ)』、左右の『後身頃(うしろみごろ)』、上前・下前の『衿先(えりさき)』の八ヵ所に使っていたので『八掛(はっかけ)』と呼ばれるそうです。

②下前衽
③下前後見頃
④下前前見頃
⑤上前前見頃
⑥上前後見頃
⑦上前衽
⑧上前衿先
今は、両袖口(すでぐち)にも使っています。(だからといって十掛とはなりません)
袖口にはかつて、袖口布(そでぐちぬの)というものが使われていました。(※後述)
八掛の色合わせ
先ほども言った通り、八掛は裾と袖口から少しだけ顔をのぞかせます。
なので、色選びが重要になるんですよね。
基本は着物と同じ色(同系)を選びます。
特にフォーマルの場合の多くはそうします。
好み・用途によっては、あえて反対色を持ってきて個性を出したりもします。
柄になっている八掛(柄八掛)というのもあるので、その着物にあわせた個性を楽しむのもいいんですよね。

通し裏(とおしうら)・総裏(そううら)
一言で言えば、胴裏と八掛を同じにした一枚の裏地です。
男性着物の場合はこの『通し裏・総裏』が基本になります。
最近では、薄地の着物にこの通し裏・総裏をつけて仕立てる人も多いんです。
裏が若干透けて見えるという、おしゃれな仕立て方です。
薄物を胴裏と八掛を使った仕立てにすると、境目がくっきりわかってしまうんですよね。
居敷当(いしきあて)
着物の後見頃の下半身部分につける当て布のことです。
袷(あわせ)の着物はこの部分を『八掛』がカバーするんですが、『薄地の着物』や『単衣』などの仕立ての場合は『居敷当』を使います。
補強の目的や下着などが透けないように、当て布をするんですよね。
衿裏(えりうら)
居敷当と同じく、薄物や単衣の着物の補強です。
字のごとく、衿の裏の縫い代を始末する役割なんですよね。
背伏(せぶせ)
これも居敷当・衿裏と同じ役割です。
背縫いの縫い代をこの布を使って、包み縫います。
袖口布(そでぐちぬの)
袖口の裏につける裏地です。
女性着物の場合は、八掛を袖口布として使います。
男性着物は通し裏・総裏を使うので袖口布は別生地を使います。
羽織やコートなどの上物と呼ばれる着物には表地を袖口布として使うんですね。
裏地の注意点
着物に使う裏地ですが、基本的には表地と同じ性質の生地を使います。
正絹と呼ばれる絹の着物に『ポリエステルの裏地』を使うのは、推奨できません。
裏地と表地の生地質が違うので、表地がたゆんできたりします。
絹は縮みやすいので、縮みが少ないポリエステルとバランスが悪くなってくるんですよね。
これと同じことが絹同士でも起こります。
どうしても表地と裏地の生地質が違うので、長く着用しているとたゆみが出てきてしまうんですよね。
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