着物でも洋服でもサイズって非常に重要です。
人は身長が一緒でも、体型や手の長さが違うものです。
特に着物の場合には、正確な自分のサイズが知りたいと思うのは当然です。
ということでこの記事では男性着物の『男性着物の各サイズの名称』『サイズの目安』『サイズの測り方(採寸)』を中心に、着物を始めて揃える方でも安心できる様に、詳しく解説していきます。
その前に、私の自己紹介を…
●着物の営業・販売歴16年
●着物の店舗運営11年(店長歴)
●現在は独立して着物の制作にたずさわっています
サイズが合っているということは、着姿が綺麗でカッコよくなるということです。
なのでこだわりを持って欲しいポイントなんですよね。
男性の『着物好き』を心から応援するものです。
読み進めて『きもの街道』を突き進みましょう!
男性着物のサイズと採寸【各名称】
まずは基本知識を解説します。
着物には多くの専門用語がありますが、その使用は必要最低限にとどめてお話しします。
男性着物の各サイズの名称
これらのサイズを把握しておけば、いちから着物を誂える時にも、既成の着物を選ぶ時にも安心です。
洋服と同様に、手の長さは人それぞれなので、重要なサイズです。
長いとぶかぶかに見えますし、短いと『ちんちくりん』と言って非常にカッコ悪いです。
②身丈(きたけ)=背中心からくるぶしまでの長さ
男性着物は対丈(ついたけ)といって長さに誤魔化しが効かないので、重要なサイズです。
これが長すぎると、裾を引きずることになりますし、短いと『ちんちくりん』です。
③袖丈(そでたけ)=袖の上から下までの長さ
標準の寸法が決まっています。
人によっては身長に合わせて長くしたり短くしたりしますが、着物に合わせる羽織や襦袢の互換性が弱くなるので、よっぽどのこだわりがない限り標準をオススメします。
④前巾(まえはば)=着物の前身頃の巾の長さ
⑤後巾(うしろはば)=着物の後身頃の巾の長さ
その人の太さによってこの2つのサイズを決めます、ヒップサイズから割り出すのが基本です。
長すぎるとぶかぶかになりますし、短いと前が綺麗に出ません。
他にも着物のサイズはたくさんありますが、以上の5つのサイズを把握しておけばいいでしょう。
男性着物のサイズの目安
※鯨尺とは尺(しゃく)とか寸(すん)とかの日本伝統の長さの測り方の単位です。
男性着物のサイズの目安
①裄(ゆき)サイズの目安
裄は人によって違いが出やすいので、サイズに誤差が出た時の見た目に与える影響が大きいので、正確なサイズを測ることをオススメします。
※サイズの測り方は後述します。
なので下記の裄の目安は、あくまでも『目安』と捉えてください。
●身長166〜170㎝=裄71㎝
●身長171〜175㎝=裄73㎝
●身長176〜180㎝=裄75㎝
●身長181〜185㎝=裄77㎝
②身丈(みたけ)サイズの目安
身丈も人によって違いが出るので、正確なサイズを測るのが一番なのですが、着方によって調整できたりもします。
ただ、短くなってしまうと誤魔化しが効かないので、やはりこれも正確なサイズを測るのをオススメします。
●身長166〜170㎝=身丈140㎝
●身長171〜175㎝=身丈145㎝
●身長176〜180㎝=身丈150㎝
●身長181〜185㎝=身丈155㎝
なぜ差があるのかというと、人は身長において首から上の長さの割合が異なるからなんですよね。
※これは私の個人の結論ですが、間をとって『身長から27㎝引く』というのを目安にしています。
③袖丈(そでたけ)サイズの目安
袖丈は先ほども言った通り、標準があります。
約50㎝です。
大体の既成の着物はこの寸法で仕立てられていますので、それに合わせるのが無難と言えるでしょう。
④前巾(まえはば)⑤後巾(うしろはば)サイズの目安
前巾と後巾は着物の身巾に関わるサイズです。
ヒップサイズから割り出します。
●ヒップ90㎝=前巾25㎝後巾30㎝
●ヒップ100㎝=前巾27㎝後巾32㎝
●ヒップ110㎝=前巾30㎝後巾35㎝
男性着物のサイズの測り方【採寸】
最後にサイズの測り方をお話しします。
㎝と尺が測れる着物用のメジャーもあります。
男性着物のサイズの測り方【採寸】
①裄(ゆき)サイズの採寸の仕方
裄は手を斜め45度下に伸ばした状態で、背中心(首の付け根のぐりぐり)から手首のぐりぐりまでの長さを測ります。
洋服の袖丈とは違いますので注意してください。
左右どちらも測り、平均を取るといいでしょう。
実際取ったサイズを目安と見比べてみてください。
大きな違いが無ければ問題ないと言えるでしょう。
②身丈(みたけ)サイズの採寸の仕方
身丈は同じく背中心(首の付け根のぐりぐり)からまっすぐ、かかとの中心までを測りましょう。
これも実際に測ってみて、目安と見比べてみてください。
③袖丈(そでたけ)サイズの採寸の仕方
袖丈は標準の50㎝にするのがいいでしょう。
身長が185㎝以上の方は、着物自体も特注サイズになるので専門店に問い合わせてみてください。
④前巾(まえはば)⑤後巾(うしろはば)サイズの採寸の仕方
前巾・後巾はヒップサイズを測ります。
ヒップサイズを4で割って、2㎝足せば『前巾』7㎝足せば『後巾』です。
ヒップサイズより、ウエストサイズの方が大きいなら若干サイズアップした方がいいでしょう。
専門店でサイズを測ってもらう
着物のサイズはメジャーを使って一人でも測ることができますが、できれば誰かに測ってもらうことをオススメします。
後は、着物の専門店で測ってもらうのもいいでしょう。
割り出しになるので、仕立て屋さんの意見を聞くこともあるのですぐに答えが出ないかもしれません。
ただ、サイズは一度測ってしまえば、よっぽどの体型変化がない限り測り直す必要はありません。
まとめ
ということで、男性着物のサイズと採寸の仕方をお話ししてきました。
冒頭でも言った通り、サイズ感ってすごく大事ですよね。
さらに素材の違いによっては、同じサイズにも関わらず感覚が違うこともあります。
サイズとの戦いは終わりがないのですが、これも着物の楽しみと思って前向きに捉えてもらえると嬉しく思います。
せっかく着物を揃えてもサイズが合ってないのは嫌だし…