

洋服と同じで寒暖に合わせて着分けるのですが、一応ルールも存在します。
この記事では、その辺りを網羅的に解説していきます。
内容に入る前に、私の自己紹介をさせてください。

・着物の営業・販売歴16年
・着物の店舗運営(店長歴)11年
・現在は独立して、着物の制作にたずさわりながら全国で着物の提案活動をしています
この記事では、以下の2点で『袷』『単衣』『夏物』を詳しく解説していきます。
●『着分け』について具体的に考える
タイトルにもあるように、この記事は『単衣推し』です。
その理由は読み進めるうちに、明らかになっていきます。
目次
単衣という着物の種類【特徴と見分け方を解説】

まずは『袷』と『単衣』と『夏物』とは、どういうものなのかをお話ししていくことから始めます。
それぞれの構造の違い
まず、袷と単衣の違いは、『裏地があるかないか』です。
袷は、胴裏(どううら)と八掛(はっかけ)という裏地を、表地にあわせて仕立てます
単衣は、裏地を基本的に使わずに、表地一枚で仕立てていきます。

夏物はそもそも素材が違います。
『絽(ろ)』『紗(しゃ)』『羅(ら)』と呼ばれる薄地の透け感のある生地を使って仕立てます。
それぞれの見分け方

問題は袷と単衣の違いです。
裏地がついていないので、着物をめくってみたらわかります…


袖口の中に裏地がついていないのと、後ろから見た時の裾に裏地がないことで、単衣だと分かるのですが…
つまり、『袷と単衣は明確に違いはあるけど、見た目にはほとんど変わらない』ということなんですよね。

言われないとわからないものね。
単衣という着物の種類【着分け方を具体的に考える】

冒頭、『単衣推し』という話をしていますが、ここで明らかにしていきたいと思います。
【参考程度…】ルールを知る
『袷』『単衣』『夏物』の着分けには、一つの答えがあります。
これはお茶の世界での基準で、一応着物の業界のルールとされています。
いかに示します。
6月と9月=単衣(ひとえ)
7月と8月=夏着物

几帳面な日本人が好きそうな、明確ででわかりやすい基準なのですが、全てをこれでいくには無理がありそうに感じるのです。

ただ、知識としては持っておいてもいいので、最初に解説した次第です。
日本の気候で考える
日本は四季が違いがある、そんな国です。
ただその境目は、当たり前の話なんですが『曖昧』ですよね。


だから、月毎できっぱりと着るものを分けると言う発想に無理があるんですよね。
着物は重ね着である
着物は単衣だろうと袷だろうと、そして夏物でもその下に長襦袢を着ます。
Tシャツみたいに、一枚で着ることはゆかたくらいしかありません。

寒い時はそれを着るようにしてるわ。
さらに着物には洋服と違い『半袖』というものがありません。

ということは、着物って基本的に『冬寄り』だと言えるのかもしれません。
つまり『着物ってどちらかと言うと暑いもの』だと言えるのです。
着物を着る場面って

ですが、着物は『本当の意味』での日常着にはならないとも思っているんですよね。
例えば、雪が降り積もる中、着物で外を歩くことはありません。
そもそも危ないです。
逆に、炎天下でも着物は着ませんよね。
最近の日本の夏の暑さは異常で、着物だろうが何だろうが『炎天下の屋外』に出てはいけません。
命の危険につながります。

まとめ【『単衣推し』の理由】


寒かったら、何かを羽織ればいいのです。
単衣の上に何かをはおることがダメということはありません。
逆に暑くても、『重ねて着ていること』を変えることはできないんですよね。
さらに単衣と袷は見た目にも違いがわかりにくいんですよね。
今、着物業界は薄物ブームでもあります。
薄い透け感のある着物が、『夏も単衣も兼用』という事で幅を利かせているんですね。
これも着やすさ(機能性)を重視した発想だと思います。
特に『着物をカジュアルで着て楽しむ』という事であれば、スタイルは自由です。
それならば『単衣のほうが着やすい』と考えるんですよね。

現に洋服はそうですからね。
『もっと自由に、楽しくそして着やすく』
こうやって着物の可能性を追求していただけると、嬉しく思います。
では、よき『きもの』ライフを(^^)y
そもそも袷と単衣の見分け方って、なんなのかなぁ…?