
・着物の営業・販売16年
・着物の店舗運営10年(店長歴)
・現在は、着物の制作にたずさわっています
今回はお客様のこんな疑問・悩みに答えます。

まずはこの話をする前に『着物のクリーニングとはどういうものか』という話が重要になりますよね。
着物のクリーニングは丸洗い(京洗い)という『ドライクリーニング』が一般的になります。
そのクリーニングにプラスして必要に応じで『シミ抜き』等の付随加工をしていきます。
当然、加工の量が多くなるほど、着物のクリーニングの『日数』は長くなるし、料金的にもプラスになりますよね。
今回の記事は『一般的な着物のクリーニング(丸洗い・京洗い)』に焦点を当ててお話しします。
この記事では以下のことがわかります。
②着物のクリーニングの作業工程
③納期確認の重要性
目次
着物のクリーニングにかかる日数【結論】


これは、私が取り引きしている『着物のクリーニング(丸洗い・京洗い)を請け負う業者』とシュミレーションした日数です。

2日目=荷物が到着して、丸洗いをする
3日目=丸洗い後の着物が乾き検品し、プレス(アイロン)をかけて、送りかえす
4日目=送られてきた荷物をお客様にお渡しする
直接、工場に着物を持って行ったらもっと時間を短縮できるんですが、現実的ではないので割愛します。

一般的なクリーニングの日数
最短の話をしましたが、基本的にはこの最短は『お客様からの相当の要望と業者との連携』がないと実現しません。
②シミ抜き等の加工がつくと日数が伸びる
③送料をおさえる(クリーニングの加工代金に直結)ために、ある程度着物が集まってから送っている
④加工をしていく上で少しでも不安があると、問い合わせ(引き合い)の為に連絡を密に取って日数がかかる
こういう要因が重なって、クリーニングの日数は伸びていきます。
なので、基本的に着物のクリーニング(丸洗い)の納期(=お客様との約束)は『お店サイドと業者サイド』が大事をとって・・・

この納期の日数は、『私の経験のよるところ』と『実際の業者が提示する納期日数の平均』からの算出になります。

ただ実際の日数はもっと短く、クリーニング(丸洗い)だけだと・・・

で、できあがってくるんですよね。
なので、『大事をとった納期』は提示しますが、『クリーニングができあがり次第連絡をする』というやり方にしているところが多いです。
着物のクリーニングが手元に戻るまで【業者別解説】

着物のクリーニングの日数を解説をしましたが、その日数で何が行われているかを掘り下げて解説していきます。
ここ段落では『着物のクリーニングの中身』に触れますので、日数だけを知りたかった人は飛ばして下さい。
着物のクリーニングの工程解説
一般的な着物のクリーニングの作業手順を羅列します。
②工場(クリーニングの加工をするところ)に発送
③送られてきた着物を検品、他の着物との混同を避けるためにタグをつける
④(お客様と決めた)クリーニング内容と実際の着物を確認し作業計画を立てる
【④の補足】ここで、問い合わせしなければいけない内容が出ると、店(もしくはお客様を通して)と打ち合わせ
⑤それぞれの加工先に送る
→※着物のクリーニングの加工は多岐に渡り、それぞれに職人がいます
⑥検品・プレス(アイロン)を行う
⑦たとう紙にいれ、梱包し発送する
⑧お客様とできあがりを確認してご納品
ざっとこんな感じですね。
実際、かなり慎重に『加工』は進みます。
クリーニングは加工後のイメージを説明しにくく、『クレーム』を防ぐために綿密に確認を繰り返すんですよね。
このことは『安心感』でもありますが、『日数を伸ばしている』とも言えるんですよね。
さらにで着物を扱うところは様々で『着物のクリーニング』の工程は頼むところによって違いがでます。
それを補足的に解説していきます。
着物の専門店(ショッピングセンター・路面店・百貨店など)
『着物のクリーニング』を頼むところは、ここが一般的になりますよね。
着物の専門的な知識を持っているので、最初の『クリーニング内容』の確認がスムーズです。
クリーニングの付随加工の『できる・できない』をその場で判断します。
そして注文を受けると、加工業者との間に立って連絡を取り合うので、お客様との意思疎通もしやすいというメリットがあります。
『良いお店選び』は難しくもありますが、相性のいいお店に出会い『行きつけのお店』ができると、『着物の管理』もしやすくなります。
着物のクリーニングの企画
着物の専門店は、定期的に『着物のクリーニング』の企画をします。
・お手入れ相談会
・悉皆展
・お手入れキャンペーン
こんな感じの名前で『企画』を開催するんですよね。
専門の職人(業者の営業であることが多い)をお店に呼び、本格的な着物の相談と見積もりをその場で受けることのできる機会です。
その時はクリーニング代も『キャンペーン』価格になることが多いので、活用する価値はあるんですよね。
街のクリーニング屋さん
街のいたるところにある『クリーニング屋さん』でも、着物のクリーニングを受け付けてくれるところがあります。
ただ、これらは洋服が専門で、専門外の『着物のクリーニング』は基本的には『外注』になります。
クリーニングの内容は『基本的にはドライクリーニング(丸洗い・京洗い)のみ』を受け付けます。
『着物を預かって、業者に送って、納品する』という作業ですよね。
『ドライクリーニングをしてくれるだけでいい』というのであれば、気軽に頼めるということがメリットですよね。
着物屋さんに行くと、どうしても『色んな案内』を受けますから。
ネット
最近はインターネットでの着物のクリーニングが増えてきています。
これは『お客様自身が直接業者に送る』というやり方です。
そして、業者から連絡をもらい『加工内容を決めていく』という流れになります。
家にいてすべてが完結するので、非常に気軽に頼めるのがいいところですよね。
この業態は発展途上という印象がありますが、将来性があります。
いろんな面(価格・サービスなど)で充実してくると思います。
【重要】着物のクリーニングの『納期』は急がせる

『一般的なクリーニングの日数』でも話しましたが、着物のクリーニングの日数は『大事を取って長めに設定』されています。
他にも・・・
②着物は高級品(もしくはそのイメージ)があるので慎重に行う
③大きな加工の場合は実際に日数がかかるので、それとのギャップを埋めている

これは『着物の業界』の、ある意味でよくない伝統です。

着物でもそれが実現できれば、もっと『着物を着る機会』が増えて着物の発展につながりますよね。

やり方は簡単です。

と、言うだけなんです。
まとめ
ということで、『着物のクリーニングにかかる日数』をまとめてきました。
需要がある『着物のクリーニング』ですが、まだまだ発展途上なんです。
ここがもっと充実し使いやすくなると、着物を楽しむ環境がもっと整うはずですよね。

今回の記事はそんな『決意』で締めくくらせていただきます。
では、よき『きもの』ライフを(^^)y
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