●紋の入れ方にも種類があるって?
●紋には意味があるの?
●着物に紋って入れるべき?
着物に入れる紋、複雑だと思いませんか?
内容に入る前に、少しだけ私の自己紹介を…
・着物の営業・販売を19年しています
・着物の店舗運営(店長歴)11年
・現在は着物の制作にたずさわっています。
この記事は以下の内容で話を進めていきます。
・紋の格を決める『表現方法』
・紋って入れるべきか?を徹底検証
・自分の家のじゃない紋って使っちゃダメ?を考える
・家紋ギャラリーで、色んな紋を知る
この記事を読むことで、着物に入れる『紋の基本』が分かります。
読み進めてみて下さい。
目次
着物に使われる紋の種類【紋の意味を考える】
紋とは、その家や団体を表す紋章です。
まずは、そんな紋の意味についてお話ししていきます。
【ポイント】紋を入れる場所とそれぞれの意味
着物に入れる『紋』は、最大で五箇所に入ります。
背中の紋
背中心の縫い目を渡って紋を付けます。
両袖裏の紋
三つ紋は、一つ紋、五つ紋と比べると少ないです。
両胸の紋
カジュアルな着物でも、『一つ紋』をつけたりするわよね。
【補足】紋の大きさ
紋の大きさは男性が直径約3,8cm、女性が約2cmが標準となっています。
確かにそのイメージがあるなぁ。
着物に使われる紋の種類【紋の作り方】
紹介した5つの場所に、何らかの方法で紋を入れていきます。
【格が決まる】紋の表現方法
紋の表現方法には2つの種類があります。
日向紋(ひなたもん)
日向紋とは、紋のモチーフ全体を白抜きにする紋の表現方法です。
めずらしい紋の表現の仕方です。
陰紋(かげもん)
陰紋とは、柄のモチーフ全体は地色の色で、輪郭線だけを白で染め抜きます。
上の写真の陰紋と、下の写真の日向紋を見比べて下さい。
同じ『蔦』の紋です。
陰紋の方があっさりしてる感じだわ。
【5つ】紋を入れる技法
続いては、紋を入れる技法についてです。
染め抜き紋
染め抜き紋とは、紋の柄の部分を染め抜いて『白』になるようにする技法です。
染め抜き日向紋もあれば、染め抜き陰紋もあります。
石持ち入れ紋(こくもちいれもん)
石持ち入れ紋は、石持ち部分に染めで紋を入れていくやり方です。
ただ、染め抜き紋より格が下がるとされています。
上の写真もよく見ると、それがわかります。
染め紋
紋の柄自体を染めで描いていくやり方です。
他にも陰紋を直接、描く場合などもこれになりますね。
縫い紋
紋の柄を刺繍で表現するやり方で、略式の紋となります。
大体は一つ紋で入れます。
この『三ツ松』は陰紋となります。
貼り付け紋
あらかじめ染めた紋の生地を、貼り付けるやり方です。
着物のレンタルなどで、このやり方を使ったりします。
【これが分からない】紋って入れるべき?
順番に考えていきましょう。
黒紋付や黒留袖には紋は入れるべき
黒紋付や黒留袖は、石持ちがあることが多いから、紋を入れるのが普通だわ。
でも色留袖は微妙なのよね。
ただ、紋がないと着れないというわけでもありません。
それ以外の着物には紋って入れるの?
いずれにせよ、こういった着物は一つ紋を入れるのが一般的です。
自分の家の紋じゃない着物を着てもいいの?
着ていく場面にもよりますが、そこまで気にしなくてもいいと思います。
どうしても気になるなら、それを検討してみて下さい。
さらに紋には通紋と呼ばれる、誰でも使える紋もあります。
着物に入れる紋の種類【色んな紋をご紹介】
植物のオモダカを図案化した紋、十大家紋に数えられる。
オモダカの葉の形状が矢の鏃に似ている為、「勝軍草」と呼ばれ、武家の家紋として広く使われた。
梅の花を写実的に形どった紋、菅原道真が祀られる天満宮の神紋としたのが始まりとされる。
扇は形が末広で吉兆を表す。
まとめ
✔︎背中の紋は『ご先祖様』、両胸の紋は『両親』、両袖の紋は『兄弟姉妹』
✔︎日向紋→柄を染め抜く・陰紋→柄のふちを染め抜く
✔︎染め抜き紋→柄を染め抜く技法・染め紋→柄を染める技法・縫い紋→柄を刺繍で表現する技法・貼り付け紋→紋を描いた生地を貼り付ける
では、よき『きもの』ライフを(^^)y
この記事は、ちょっと難解な『紋』について、理解を深めてもらう試みです。