着物の種類【男性の着物ってどんなものがあるんだろう?】

着物の知識
●男性の着物の種類ってどんなものがあるの?
●なんで男性の着物は女性の着物より少ないの?
●男性の着物と女性の着物って何が違うの?

最近は男性でも着物を着る人が増えてきています。

さとし
ただ、多くの着物を扱うお店は、『女性』をターゲットにしているところが多いです。
そして、着物の種類も女性の方が多いのも事実です。
この記事は、そんな男性着物の全てを知ってもらう取り組みになります。

 

内容に入る前に、少しだけ私の自己紹介を…

さとし
私、さとし。
・着物の営業・販売18年
・着物の店舗運営10年(店長歴)
・現在は着物の制作にたずさわっています

 

この記事では以下のことがわかります。

・近代になって変わった男性着物の位置付け
・男性の着物の種類を網羅的に解説
・作り方を知る事でより詳しく男性着物を解説

 

この記事を読むことで、男性着物の全てがわかります。

読み進めてみて下さい。

着物の種類【男性着物の歴史】

着物の種類【男性着物の歴史】
さとし
まずは、男性着物の近代史を見ていきます。
なぜならこれを知ることで、『何故、男性用の着物が女性用のそれと比べて少ないか』が理解できるからです。

 

明治時代が始まり、日本は西洋の文化を取り入れるようになりました。

さとし
その中で『洋服(洋装)』も入ってくるんですよね。

官公庁の正装が『洋服』になります。

着物好き男子
明治以降の政府高官が『洋装(主に軍服)』を着ている写真を見たことがありますよね。

 

さとし
当時、社会に出るのは基本的に『男性』です。
なので、男性の方が先に『洋装化』が進みます。
着物好き女子
女性は『洋服』を着る機会があまりなかったのね。

この流れが、『男性は洋装』『女性は和装』という名残になります。

 

着物好き女子
今の結婚式でも、お父さんは『燕尾服』でお母さんが『留袖』を着たりするわ。
結婚式での両親の装い

つまり、『フォーマルの場面で着物を着ることが多い女性』には、それに合わせて『着物の種類(フォーマル)』が多くなります。

 

さとし
例えば以下のような着物の種類がありますよね。
着物好きマダム
どれもフォーマル用途の着物だけど、それぞれに格があって着る場面が違うのよね。

 

さとし
これに対して、男性着物のフォーマル(礼装)は基本的に『紋付』だけです。
着物好き男子
後は羽織と袴を履いたら、社交着って感じですね。

 

さらに着物の柄においても女性用のほうが多岐に渡ります

着物好き男子
種類も数も『女性用の着物』のほうが多くなっていったんですね。
さとし
そんな男性着物の背景がわかったところで、男性着物の種類について解説していきましょう。

着物の種類【男性の着物ってどんなものがあるんだろう?】

最近、ブームにもなっている男性着物、その種類を解説します。

【男性の着物の種類】紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)

紋付 袴

男性着物の最礼装が『五つ紋の黒紋付羽織袴』です。

さとし
黒地の着物に、黒地の羽織、仙台平(せんだいひら)の袴でワンセットで、着物と羽織に『5つ紋』が入っています。

 

着物好き男子
お相撲さんの優勝パレードや、歌舞伎や落語などの伝統芸能の襲名披露などでも着られていてよく見ますよね。
さとし
最礼装なので、結婚式などのおめでたい席にも着ますが、お葬式でも着ます。

準ずる礼装

黒以外の色で、紋付着物に羽織袴のスタイルは男性着物の礼装(略礼装)になります。

 

着物好き男子
落語家さんや、正月の特番で芸能人の司会の方が着てたりしますね。

 

こういう後染めの無地が男性の礼装になりますが、そもそもフォーマルの席で男性が着物を着ることがあまりないので一般的ではありません。

さとし
礼装と言うより『舞台衣装』というイメージなのかもしれませんね。

【男性の着物の種類】お召(おめし)

【男性着物の種類】お召

お召とは、先染め(糸を染める)で織り上げた絹織物です。

さとし
江戸幕府11代将軍・徳川家斉が好んだ(お召になった)ことからその名がついています。

お召はその『いわれ』から、ややフォーマル要素のある男性着物として扱われます。

 

着物好きマダム
女性の着物にもお召はあるわ。
私も愛用してるの。
さとし
お召は粋なイメージが多いのと、着心地がいいので男女問わず愛用されている着物なんですよね。

【男性の着物の種類】紬(つむぎ)

は男性の着物の普段着です。

さとし
羽織を着用すれば軽めの社交着になります。
着物好き男子
紬は幾何学模様や無地のものが多いので、男性着物として使いやすいですよね。

広がる男性の着物の種類

『女性の着物』と『男性の着物』は仕立て方が違うだけで、基本的には反物から作ります。

男性の方が身体が大きく、通常の女性用の反物では寸法が出ないことがあります。

 

最近のおしゃれ男子は、『数多くある女性用(女性が着用すると想定されている)の反物』を男性用に仕立てて着用します。

 

そう考えると、男性着物には大きな可能性があるとも言えます。

着物好き男子
着物で個性を打ち出せたらいいですよね。

男性着物の作り方【男性着物と女性着物の違い】

男性着物の作り方

先ほど、「『女性用(そう想定されてる)の反物』を男性用に仕立てることができる」と言いました。

着物好き男子
じゃあ、女性用の着物と男性用の着物って何が違うのかな?

 

この疑問に答えていきながら、男性着物をより知ってもらおうと思います。

【着物の男女の違い】男性着物の形

男性用も女性用も同じ反物からできるのですが、『でき上がりの形』に違いがあります。

その代表的な2点を説明します。

【着物の男女の違い】着物の丈の違い

まずは『着物の身丈の長さ』に違いがあります。

身丈とは着物の上から下までの長さのことです。

 

さとし
どちらが長いのかと言われれば『女性の着物』のほうです。
着物好きマダム
女性は着丈を長めに作って、『おはしょり』で調整するからなのよね。
着物好き男子
対する男性着物は『対丈』といって、身長(肩から裾まで)からその長さを決めます。

 

この作り方の違いから、女性用の着物は身長の差(ある程度は…)に関わらず着用ができますが、男性用はその人に合った長さで作ります。

さとし
なので、互換性が低いのが男性着物です。
このことが『既製の男性着物』を売りにくい要因にもなってるんですよね。

【着物の男女の違い】身八つ口の有無

女性の着物は『身八つ口』といって脇が開いています。

対して、男性の着物は開いていません。

 

着物好き女子
どうしてなの?
さとし
一つは通気性の為ですね。
女性の着物は衿(えり)が締まっていて通気性が悪く、脇が開いているということです。
着物好きマダム
もう一つは昔、女性は身八つ口から子供に授乳をしていたので、その名残なのよね。

反物の寸法が足りない場合

さとし
反物から男性着物をつくる場合、問題となってくるのが裄(ゆき)が出るかです。
裄というのは『背中から肩を通って手首まで』の長さです。
着物好き男子
ワイシャツも手の長さを測って選びますが、短いのって不恰好なんですよね。

 

着物好き女子
『女性用(それに想定された)』の反物では、男性のサイズが出ない可能性があるってことね。
さとし
私の感覚では身長が170センチを超えてくると微妙になります。
『手の長さ』は基本的に身長に比例しますが、個人差があるからです。

 

着物好き男子
裄が出ない時はどうするんですか?
さとし
そんな時は、袖に足し布をします。
これで、裄の長さをカバーするんですよね。

最後に…

『着る機会がない』という着物のネックがあります。

 

さとし
『着物を着る機会がない』のは、裏を返せば『一緒に着物を着て楽しむ人がいない』ことでもあります。
着物好き女子
確かにそうよね。
ひとりで着物を着るってなかなか勇気がいるものね。
さとし
そんな時に、カップルや夫婦で着物を着れれば、着物を楽しめる機会が増えるんですよね。

 

着物仙人
着物人口のさらなる増加は男性の行動にかかっているのじゃ!

では、よき『きもの』ライフを(^^)y