

この記事では、そんなガード加工を動画も交えながら、その効果と弱点にも言及していきます。
その前に、少し私の自己紹介を…

・着物の営業・販売の仕事を17年
・店舗運営11年(店長歴)
・現在は独立して、着物の制作にたずさわっています。
今回の記事では『ガード加工』を以下の項目で徹底解説していきます。
・ガード加工の概要
・ガード加工の効果と弱点
この記事を読むと、ガード加工を詳しく知ることができ、着物をもっと大切に気軽に着ることができるようになります。
目次
着物のクリーニングした後のガード加工【動画で一目瞭然】


こういうものは実際見てみるのが、一番わかりやすいですよね。
着物のクリーニングをした後のガード加工【その概要】

『ガード加工』は撥水・撥油加工のことで、フッ素系樹脂で着物をコーティングしていきます。
ガード加工をした着物は水分をはじきます。
そうなることで『シミ』や『汚れ』から着物を守り、カビなどを予防することができます。
ガード加工のやり方としては、生地に吹き付ける方法と、ガード液に浸す方法があります。
ガード加工の金額は、『着物を扱う業者』や『着物の種類』によって多少の違いがありますが、以下の金額が相場です。
→5000円〜10000円くらい
・仕立て上がった着物にガード加工をする
→10000円〜15000円くらい
この金額を見てお分かりの通り、『仕立て上がっている着物』にもガード加工はすることができます。
つまり『クリーニング後のガード加工』ができるんですよね。
ガード加工の名称集
ガード加工にはいろんな名前があります。
ガード加工をする業者や、着物屋さんによって様々です。
・ハジック加工
・スコッチガード
・はればれ加工
こんな名前があり、それぞれのブランドがありますが、基本的な加工の仕方は一緒になります。

ガード加工の【効果と弱点】

そんな『ガード加工』の効果とその弱点を考えていきます。
ガード加工の効果
概要でのお話した通り、『ガード加工は水をはじく撥水加工』です。
通常、生地に水がかかるとしみ込みますが、『ガード加工』をしていると水滴は染み込まずに生地の上にのります。
この効果によって…
・流れる汗から着物を守る
・泥跳ねから着物を守る
・着物が汚れにくく、汚れても落としやすい
着物にとって、こんなメリットがあるんですよね。
ガード加工によって『着物の風合いが損なわれるのではないか』という思いを持たれる方がいますが、そんなことはありません。
生地が目詰まりするわけではないので、水は通しませんが空気は通すので通気性は損なわれません。
ガード加工の弱点
ガード加工の弱点としては…
・『熱湯』『洗剤』などの浸透性の良いものは防ぎきりません
・摩擦に弱い
などです。
具体的に補足していきます。
蒸気や湿気
着物を着ていると汗をかきます。
この汗で蒸れると、その蒸気はガード加工をしていても吸い込んでしまいます。
保管状態が湿度の高い状態であると、その湿気も吸い込みます。
これには注意が必要です。
ガード加工をするような『絹』の着物は、湿気が最大の敵になります。
絹は『水分』によって縮みます。
ガード加工をしていても、湿気を帯びてきたら『除湿』をして下さい。

・着物を着た後は『陰干し』して湿気を飛ばす
・クリーニングに出す
こういったところです。
熱湯と洗剤
ガード加工は温度が高い状態ではその効果を発揮しません。
なので、熱湯(熱いお茶とか…)を『ガード加工をしている着物』にこぼすとしみ込んでしまいます。
このことは弱点でもありますが、ガード加工をしている着物を『染め替え』する場合、この特性を利用して、高温状態にして『染め替え』をします。
部分的な『柄足し』も同様にすることができます。
クリーニングをして『洗剤の残留物』が残っていると、ガード加工の効果は失われます。
これは『洗い直して洗剤の残留物を取り除く』ことで、ガード加工の効果を取り戻すことができます。
業者に着物のクリーニングを出す時にはこういったところも注意して下さい。
摩擦
ガード加工は摩擦に弱いです。
極端な話『生地をゴシゴシこする』と、ガード加工の効果が弱まります。

ガード加工の効果を弱めて、『汚れ』を生地に浸透させているだけなんですよね。
そして、こすると『スレ』にもなりますので、絶対に注意です。
ガード加工をしている着物に水滴がついた場合は、こすらずに水滴を転がして取り除くか、布やティッシュなので水分だけ吸い取って下さい。
冷静に対応する事が重要です。
クリーニング後にガード加工をする場合の注意点
『ガード加工』は着物を守るために高い効果を期待できます。
これから着物を仕立てる場合は、ガード加工をすることをオススメします。
すでに『仕立て上がっている着物』にもガード加工はできますが、その場合は着物をクリーニングで完全にキレイにしてから、ガード加工をして下さい。
汚れたままでガード加工をすると、『汚れ』ごとコーティングしてしまうことになるからです。
専門業者によく説明を聞いて、ガード加工をすることをオススメします。
【商品紹介】気軽にできるガード加工


使い方は簡単で、ガード加工したい部分にスプレーをするだけです。


ぜひ、一度使ってみて下さい。
まとめ
ということで、『ガード加工』についてまとめてきました。
『ガード加工』は大切な着物を守り、着物を長持ちさせるための加工です。
着物はそれぞれに思い入れがあるものだと思います。
そんな大切な着物に『ガード加工』を施して、安心して楽しんでもらえると嬉しいですよね。
では、よき『きもの』ライフを(^^)y

現代の住宅事情にも合わせた着物の保管の便利アイテムを紹介しています。
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