店舗運営で重視すること【着物業界15年のベテラン店長が語る基本の3項目】

店舗運営・モラル
さとし
さとし
私、さとし。
着物の店舗で店長をしています。大学を卒業してこの業界に入ったのが2005年。
15年間、『きもの街道をまっしぐら』にひた走ってきました。
店舗運営は難しいことも多いのですが、成果が上がった時の達成感は格別です。
今まで、3店舗の店長をしてきました。
年数にしたら10年ですね。
業界で言うとまあまあベテランの域に入ると思います。

色んな店舗がありますが、『店舗のカラー』は店長によって決まります。

それだけ、店長(リーダー)の存在とその仕事ぶりは重要であると思います。

 

そして、店舗には従業員が存在します。

この従業員を店舗の目的にそって動かすことが、『店長の大きな仕事』でもあります。

中々難しいのですが、これが『店舗運営で重視すること』なんですよね。

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僕は着物屋の店長ですが、これはどんな組織にも重要なことですよね。

 

今回は僕の経験に基づいて、店舗運営で重視する『従業員の統率』の基本的な3項目をお話しします。

店舗の存在価値とは何かの意思統一【理念の共有】

不思議な事に、従業員は働く期間が長くなるほど『ベクトル』が合いにくくなります。

その仕事を始める時に仕事についての共有事項を確認して、約束をしているのにも関わらずです。

 

誰でも働き始めた瞬間は、その会社や店舗の方針の沿おうとします。

しかしある程度慣れてくると、『自分の価値観』が出てきます。

 

個々の価値観も大事なのですが、組織の目的とは違うところに行ってしまうことが、しばしばあります。

そうならないように、店長は『不変の指針』を考えて共有しておく必要があります。

 

これが『理念』です。

 

この『不変の理念』をしっかり用意して、店舗の従業員全体で共有する必要があります。

理念づくりの手順(これだけは押さえてほしいところ)

理念つくりの基本は『合議制』です。

みんなでつくるという事が重要なんですね。

 

『基本となるべき考え方』はその会社や組織にあります。

店長はそれを基にして、理念のイメージを作って準備します。

 

そのイメージに沿うように、従業員全員で理念づくりをしていきます。

例えば、理念にいれてほしいワードを店長で用意しておくといった具合です。

こうしておけば、大きく目的から離れてしまう『理念』にはなりません。

 

その上で、『全員で話し合って』理念を作る事が本当に大切です。

なぜなら、この『みんなでつくった』というのが、最強の盾となるからです。

 

例えば、目的から外れる行動や考え方の従業員がいても、その従業員も一緒に考えて作った理念であれば、話が早いですよね。

「あなたも一緒に考えたことなんですよ」と言えばいいんです。

 

新たに従業員が増えた場合でも、時間を取って理念の共有会を行い、その理念に賛同してもらえるように持っていきます。

手間のかかる事なのですが、従業員同士のトラブルを防ぐためにも、絶対にしておいたほうがいい作業ですね。

 

従業員にとっても、『働く上での安心感』にもなったりします。

従業員のモチベーションの向上、それは承認

従業員のモチベーションの維持は、その店を健全運営のために必要不可欠なものです。

 

どれほど『いい商品』・『いいサービス』を提供しても、従業員のモチベーションが低いと、それは届かなかったりします。

 

従業員のモチベーションを向上させる方法、答えは『承認』です。

この『承認』は成果に対する承認もありますが、もっとも基本は『存在の承認』です。

「あなたが、そこにいるだけ…」というやつです。

 

これが『従業員の安心感』になり、モチベーションの向上につながります。

具体的なやり方は

①元気に挨拶する
②話を真剣に聞く
③平等に接する

こういう基本的なことで充分です。

リーダーが率先して行ってください。

 

こういう基本ができていない組織は、山のようにあります。

『モラハラ、パワハラ』なんて言葉が蔓延するくらいですからね。

 

重要な事は店長(リーダー)が従業員を『ちゃんと見ているか』という事です。

その上で『ダメなことはダメ』と言えることも重要なんですね。

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もっともやってはいけない『情報操作』

店長(リーダー)は権力者です。その言動には影響力があります。

 

そのことを利用した、簡単ですが『おススメしない』従業員のモチベーションの向上のさせ方があります。

いわゆる『えこひいき』というやつです。

 

例えば、Aさんに対して「最近、Bさんがなぁ…」とBさんの愚痴を話し始めるとします。

Aさんは嬉しいんですよね。

 

自分が認められているように感じるからです。

そうすると、Aさんは任せといてと言わんばかりに頑張ったりするんですね。

 

こういう情報操作で人を動かすやり方は簡単なのですが、あまりおススメしません。

どこかで、操作がうまくいかなくなり破綻する(信頼関係が崩れる)からです。

 

誠実であるという事は、何においても重要な事なんですね。

クレームを自分が引き受ける【嫌なことはリーダーが引き受ける】

商売をしていると『クレーム』が起こります。

必ず、起きてしまうものなんですね。

 

クレームには色んな種類があります。

従業員のミスでクレームになることもありますし、商品・サービスの不備でクレームになることもあります。

時には『お客様の理不尽』が原因というのもあるでしょう。

 

クレームは緊急的最重要事項です。

即座に動き出さないといけません。

クレーム処理は『初動』がなによりも重要です。

 

大体の人はクレームが来たら、嫌な気分になると思います。

怒りがこみ上げたりもします。

 

僕はそうは思いません。

こう思います、「これは従業員にいいところを見せることができるチャンスだ」と。

クレームは従業員のピンチを救う大チャンスです。

 

クレーム処理はリーダーの腕の見せどころなんです。

 

お客様も責任者を出せと言ってきたりします。

つまり店長にしか対応できない案件なんですよね。

 

クレームを対応した後で、従業員をしかりつけてはいけません。

当然、従業員のミスがあったのであれば、注意するというのは必要です。

改善案を指導。周知するのも大切です。

 

でも必要以上に怒ってはいけないんですね。

 

従業員だって、クレームが起こった瞬間から生きた心地がしないんですから。

 

務めて穏やかに、クレームを丸く収めたことを従業員に報告すればいいのです。

こういう店長(リーダー)を信頼しないわけないですからね。

まとめ

上記の3点をしっかり抑えて『従業員の統率』をはかると、その店舗運営は健全に動き出すと思います。

 

「少し甘いのではないか」と感じた人もいるかもしれません。

しかし、従業員は仕事をしている段階で色々なプレッシャーを感じながら、仕事をしているんです。

 

僕の着物屋では、従業員一人一人に売り上げがあります。

どうしても『数値』というもので序列ができてしまう無情な世界です。

 

これはどんな世界でもそうで、評価というのは絶対にありますよね。

その評価の中で、全員が正しい目線をもって働くことが、組織の成果の向上につながるのだと思います。

 

その為に、従業員に『思いを尽くす』というのは必要不可欠だと思います。

 

今回は着物の話題はほとんどなかったですが…

では、よき『きもの』ライフを(^^)y