

着物というのは基本的に『着る物』を指す言葉で、本来は全ての衣類が着物なのですが、西洋の衣類が入ってきたことにより、日本では『洋服』と『和服』という風に分かれます。
その中で本来からあった『和服』が着物という名前として定着しているんですよね。
そんな着物(=和服)も長い年月をかけて、その形式は変化していきます。
例えば、時代劇なんかを見ていると、今の着物との違いを感じたりすることがあります。
この記事ではそんな着物の形式の変化、特に『おはしょり』について考えていくことで、着物の歴史を掘り下げていきます。
内容に入る前に少しだけ、私の自己紹介を…

・着物の営業・販売を17年しています。
・着物の店舗運営(店長歴)11年
・現在は独立し、着物の制作にたずさわりながら、全国各地で着物の提案活動をしております。
この記事は、おはしょりの形成とその歴史を振り返りながら、今の着物の形態に至る過程をお話ししていきます。
その中で着物の歴史にも触れることができるでしょう。
読み進めてみてください。
【歴史】着物の種類〜おはしょりについて考える〜

それでは『おはしょり』について掘り下げていきます。
おはしょりとは?
おはしょりとは、現代の女性の着物を着付で、丈をちょうど良い長さに調整した時に出る折りたたんだ部分のことです。



ちなみにおはしょりを作らない着物の着方を『対丈(ついたけ)』と呼びます。

おはしょりができることで『今の着物』になっていく
そもそも日本の着物は丈が長くできていて、裾を持ち上げたりしながら着ていました。

地面に引きずる形で着物を着ることを、『引摺(ひきずり)』と言います。
この着方は昔の着物の代表的な着方であり、現在でも結婚式の衣装などで見られたりもします。
明治時代に入ってくるとおはしょり姿は日常的になり、着付も現在と同様に『帯を締める前におはしょりをつくる』というやり方に変わっていきます。

そうやって着物はどんどん、今の形に近づいてきます。
今、我々が当たり前だと思っている着物の形は、そうやって変化したものであり歴史で言えば100年くらいのものであったりするんですよね。
着姿としてのおはしょり
昔の着物姿の写真などを見ると、おはしょりはぷっくりとふくらんでいたりしますし、その長さもまちまちです。
今の感覚で見ると随分だらしなく見えるものなんですよね。
昭和30年代にはおはしょりに関しての基準が和裁書などに書かれるようになり、着付技術とともに定着していくんです。
まとめ
現在の着物の着姿は、非常に綺麗なものとなっています。
着姿の研究の結果、バランスの取れた形になっているのです。
このことは着物の美しさなのですが、同時に着物を『やや着にくく』している側面もあります。

着るものが『着物』しかなかった時代、着物はもっと自由なものでした。
その自由さを追い求めることが、着物をもっと楽しむコツなのかもしれません。
では、よき『きもの』ライフを(^^)y
こういうことってふとした時に気になりますよね。