季節にあった着物の種類【ルールと現実を考察】

着物の悩み
●着物にも季節での着分けがあるの?
●単衣の着物っていつ着るの?
●帯にも季節があるの?

着物の季節について悩む人は多いです。

さとし
着物の業界の中では『明確なルール』があります。
この記事では、その前提をお話ししつつ今の環境に合わせた着物の季節の着分け方を解説する試みです。

 

内容に入る前に少しだけ、私の自己紹介を…

さとし
私、さとし。
・着物の営業・販売18年
・着物の店舗運営11年(店長歴)
・現在は独立し、着物の制作にたずさわりながら、全国で着物の提案活動をしています

 

以下の話を進めていくことで、着物の季節について理解を深めていきます。

・着物の季節のルールと実際に気温を考える
・ルールを重要視する業界の戦略とは
・袷・単衣・薄物の機能的違いを解説
・着物の色柄の季節とこれからとは

これが分かれば、着物を揃える時、着物を着る時、着物を選択するときの知識を得ることができます。

季節にあった着物の種類【ルールと現実の違い】

季節にあった着物の種類【一般的なルールを知ろう】

まずは『お茶の世界で言われ、業界で定着したルール』を見ていきましょう。

・1月〜5月=袷(あわせ)
・6月=単衣(ひとえ)
・7月〜8月=薄物・夏物(うすもの・なつもの)
・9月=単衣(ひとえ)
・10月〜12月=袷(あわせ)
さとし
合計すると、袷が8ヶ月、単衣が2ヶ月、薄物・夏物が2ヶ月です。
袷の時期が随分長い計算です。
着物好き女子
確かに明確に決まっていて分かりやすいけど…
実際は5月でも暑い日は暑いのよね…

 

さとし
確かにそうですよね。
まずはルールより体感を重視してもらうために、以下のことを調べました。

日本の12ヶ月の平均気温を調べてみた

日本の平均気温を調べました。(※Wikipedia調べ)

1月【7.5℃】
2月【7.9℃】
3月【11℃】
4月【16.5℃】
5月【20.7℃】
6月【23.6℃】
7月【27.2℃】
8月【28.7℃】
9月【25.3℃】
10月【20.4℃】
11月【15.2℃】
12月【10.1℃】

これをみると、5月と10月は結構暑いですし、4月と11月もそこまで寒いという感じではありません。

着物仙人
これは日本全国の平均気温なのじゃ。
当然、もっと気温の高いところもあれば、低いところもあるし、昼と朝晩の気温の違いもあるのじゃ。

 

着物好き女子
そう考えると『着物の季節分け』も柔軟に考える方がいいですよね。
さとし
そうなんだよね。
気温の感じ方は人それぞれで、我慢してルールに合わせる必要はありません。

 

着物好き女子
じゃあ、どうしてそういうルールが業界では定着しているのかしら?
さとし
そこには『売り手』の戦略があったりするんだよね。
次で詳しくお話ししていきます。

『売り手』主体で考えた『厳格な着物のルール』

着物好き女子
売り手の戦略ってどういうものなの?

 

黒留袖を例に考えます。

黒留袖の着用用途のほとんどが『結婚式』で、まだ結婚の予定が決まっていない人が黒留袖の購入を検討したとします。

さとし
『売り手』からすると、黒留袖一つを取っても『袷』『単衣』『夏物』をススメル口実ができるというわけです。

 

着物好きマダム
こういうことって、どんな業界にもあって、買う方も納得してたりするのよね。
さとし
ただ着物の場合は、それが『しきたり』という権威になり、ある種の『強迫観念』が植え付けているんですよね。

 

この傾向はどんどん薄れつつありますが、ルールが細かく決められる背景となっているということです。

結婚式を例に出すと…

黒留袖をルールに則り、『袷』『単衣』『夏物』の全てを揃える人はほとんどいません。

さとし
基本的に黒留袖は…
・比翼がついている
・結婚式ではその場で着て、その場で脱ぐことが多い・
・期間が長い
などの理由で、『袷』にするのがほとんどです。

 

それ以外でもフォーマルの着物は、季節に関係なく『袷』が多いと言えます。

季節にあった着物の種類【機能的違いを考える】

季節にあった着物の種類【機能的違いを考える】

『袷(あわせ)』『単衣(ひとえ)』『薄物・夏物(うすもの・なつもの)』の3種類がありますが、具体的な違いを解説していきます。

袷と単衣の違いは『裏地』があるなし

袷と単衣は素材的な違いはなく、裏地を付けて仕立てるか、そうでないかです。

単衣の仕立てにも『裏地』は使われます。
『衿裏』『居敷当』『背伏』で、生地の補強が主になります。
対する袷の仕立ては『胴裏』と『八掛』という裏地を使います。
袷の字のごとく『表と裏の2枚を着ている厚さ』になります。

 

さとし
着物をパッと見た時に『袷』か『単衣』を判別することは難しく、よく見ないとわかりません。
着物好き男子
洋服でもそうですよね。
裏地があるスーツとそうじゃないスーツも、見た目には変わらないし、そんなことを気にすることもないもんなぁ。

薄物・夏物の素材

対して『薄物・夏物』の素材は『見た目』に違いがあります。

さとし
薄物なので、生地が透けているんですよね。

 

薄物・夏物の素材は『絽(ろ)』と『紗(しゃ)』と『羅(ら)』があります。

『絽(ろ)』は横段に透け感のある生地で、一番『夏感』の強い着物です。
『紗(しゃ)』は多岐に渡ります。
透け感があまり無いものもあり、『薄物』ではありますが『単衣』として扱われることもあります。
『羅(ら)』は目の荒い素材になります。
主に帯の素材として使われます。

着物の色に『季節感』はあるのか?

着物好きマダム
やはり、暑い時は涼しげな色の着物を着るのがいいのかしら?
さとし
お客様がこういう風に思うことがあるんですが、事実として『黒地の薄物・夏物』もありますし、『純白の袷の着物』もあります。

つまり、色で季節が決まることはありません。

 

さとし
ただ、『着る人の気持ちの部分』と『周りが見る印象』はあるので、そういった意味も含めて自由に考えるといいんですよね。

柄に関しては例外あり

さとし
着物には季節の柄が入っていることが多くあります。

特に『薄物・夏物』の着物は季節の柄が描かれていることが多いです。

例えば『朝顔』とか『金魚』とかです。

 

その部分は間違えると『その人のセンス』が問われかねないので、注意が必要です。

さとし
逆にそれをコーディネートの楽しみに変える、そんな着物の着こなしを目指して欲しいですよね。

季節にあった着物の種類【これからの着物の季節って】

季節にあった着物の種類【私、さとしの推奨とは?】

ここからは私、さとしの主張です。

一つの提案として受け止めてください。

さとし
これからの時代は着物の主流は『単衣(ひとえ)』です。

 

当然、寒い時は寒いので『袷』を着る時もありますが、これから着物を揃えるなら、『単衣』で作ることをオススメします。

さとし
理由は『楽しく着物を着るのであれば《活動》するから』です。

フォーマルの着物は場面で着るので、そんなに動きがありません。

さとし
でも『着物を着てお出かけをしたい』というカジュアルの思いがあるのなら、やっぱり動きやすい方がいいですよね。

 

それならば『単衣』の方が断然機能的です。

そして、先ほども話しましたが『袷と単衣』は見た目に違いがありません。

気にされる人が多いですが、見た目の違いで指摘されることは本当にありません

 

着物好き女子
でも、突然寒くなったりした時の温度調節ってどうしたらいいの?

温度調節なら、着物には『羽織やコート』などの上に着る物も豊富にあります。

もしくは『ショール』を鞄の中に入れておいたら、ちょっとした寒暖の調節ができるんです。

さとし
なので、『用途の広さ』『機能性』『行動力』を考えてオススメは単衣‼︎

まとめ

まとめ

ということで、『季節にあった着物の種類』についてお話をしてきました。

 

当然『着物の着方』は個人の思いが最優先されます。

その中で、『もっと気軽に着物を楽しむための着物のつくり方』の話もさせていただきました。

この記事を読んで、着物の楽しみを見出してくれるなら嬉しく思います。

 

皆さんの着物ライフを応援しています。

では、よき『きもの』ライフを(^^)y