季節にあった着物の種類【3つを上手に使いこなす】

着物の悩み
着物好き女子
季節にあった着物の種類ってあるんですか?
明確に決まっているのかなぁ…?
さとし
着物は素材と仕立て方によって、3つの種類があります。
『袷(あわせ)』と『単衣(ひとえ)』と『夏物(なつもの)』です。
お茶の世界では10月〜5月を『袷』、6月と9月を『単衣』、7月8月を『夏物』と明確にわけ、それが着物の世界でもルールにもなっていたりします。
ただ、外気温と着やすさなどのことを考えると、一概にこのルール通りにする必要はないし、そういう流れにもなっているんですよね。
この記事では、そのことについて詳しくお話ししていきます。

内容に入る前に少しだけ、私の自己紹介を…

さとし
私、さとし。
・着物の営業・販売16年
・着物の店舗運営11年(店長歴)
・現在は独立し、着物の制作にたずさわりながら、全国で着物の提案活動をしています

この記事は以下の3点で、話を進めていきます。

・業界で長く言われてきたルール
・袷・単衣・薄物の機能的違いを解説
・私の主張を最後に

着物の知識と、困った時にどうすればいいのかがわかると思います。

季節にあった着物の種類【業界で言われてきたルール】

季節にあった着物の種類【一般的なルールを知ろう】

冒頭でもお話しした『お茶の世界で言われ、業界で定着したルール』をおさらいします。

・1月〜5月=袷(あわせ)
・6月=単衣(ひとえ)
・7月〜8月=薄物・夏物(うすもの・なつもの)
・9月=単衣(ひとえ)
・10月〜12月=袷(あわせ)
さとし
合計すると、袷が8ヶ月、単衣が2ヶ月、薄物・夏物が2ヶ月です。
袷の時期が随分長いんですよね。

日本の12ヶ月の平均気温を調べてみた

日本の平均気温を調べたら以下の通りでした。(※Wikipedia調べ)

1月【7.5℃】
2月【7.9℃】
3月【11℃】
4月【16.5℃】
5月【20.7℃】
6月【23.6℃】
7月【27.2℃】
8月【28.7℃】
9月【25.3℃】
10月【20.4℃】
11月【15.2℃】
12月【10.1℃】

これをみると、5月と10月は結構暑いですし、4月と11月も暖かいともいえます。

着物仙人
これは日本全国の平均気温なのじゃ。
当然じゃが、日本にはもっと気温の高いところもあれば、低いところもあるし、昼と朝晩の気温も違いがあるのじゃ。
着物好き女子
そう考えると『着物の季節分け』も柔軟に考える方がいいですよね。
さとし
そうなんだよね。
気温の感じ方は人それぞれあるし、我慢してその着物を着るというのもおかしな話なんだよね。
着物好き女子
じゃあ、どうしてそういうルールが業界では定着しているのかしら?
さとし
そこには『売り手』の戦略があったりするんだよね。
詳しくお話ししていきます。

『売り手』主体で考えた『厳格な着物のルール』

『黒留袖』を例に考えてみます。

黒留袖の着用用途のほとんどが、『結婚式』です。

『結婚式』っていつあるかわからないですよね。

さとし
なので『売り手』からすると、黒留袖一つを取っても『袷』『単衣』『夏物』をススメル口実ができるというわけです。

でも、こういうことはどんな業界にもあることで、買う方もそれに納得して買っています。

ただ着物の場合は、それが『しきたり』という権威になって、買い手にある種の『強迫観念』が植え付けているところがあるんですよね。

さとし
ただ、その傾向もどんどん薄れているのが現状です。

結婚式を例に出すと…

先ほどから話している黒留袖ですが、これをルールに則って『袷』『単衣』『夏物』を揃えている人はほとんどいないです。

基本的に黒留袖は、『黒留袖には比翼がついている』『結婚式では黒留袖をその場で着て、その場で脱ぐことが多い』『期間が長い』などの理由で、『袷』にしているのがほとんどです。

それ以外のフォーマルの着物でも、基本的には季節に関係なく『袷』を着ることが多いと言えます。

季節にあった着物の種類【機能的違いを考える】

季節にあった着物の種類【機能的違いを考える】

『袷(あわせ)』『単衣(ひとえ)』『薄物・夏物(うすもの・なつもの)』の3種類がありますが、『具体的な違い』を解説していきます。

袷と単衣の違いは『裏地』があるなし

袷と単衣は素材的に違いはありません。

裏地を付けて仕立てるか、そうでないかです。

単衣の仕立てにも『裏地』は使われます。
『衿裏』『居敷当』『背伏』で、これらの役割は生地の補強が主になります。
対する袷の仕立ては『胴裏』と『八掛』という裏地を使います。
袷の字のごとく『表と裏の2枚を着ている厚さ』になります。
さとし
着物をパッと見た時に『袷』か『単衣』を判別することは難しいんですよね。
よく見たら、裏地のあるなしでわかります。
着物好き男子
洋服でもそうですよね。
裏地があるスーツとそうじゃないスーツも、見た目にはあまり変わらないし、そんなことを気にすることもないもんなぁ。

薄物・夏物の素材

対して『薄物・夏物』の素材は『見た目』に違いがあります。

薄物なので、生地が透けているんですよね。

薄物・夏物の素材は『絽(ろ)』と『紗(しゃ)』と『羅(ら)』があります。

『絽(ろ)』は横段に透け感のある生地になるのですが、一番『夏感』の強い着物になります。

『紗(しゃ)』の生地はその生地質が多岐に渡ります。

透け感があまり無いものもあるので、『薄物』ではありますが『単衣』として扱われることもあります。

『羅(ら)』は着物の素材としては使われないので割愛します。

着物の色は『季節感』になるのか?

着物好きマダム
やはり、暑い時は涼しげな色の着物を着るのがいいのかしら?

お客様がこういう風に思うことがあるんですが、事実として『黒地の薄物・夏物』もありますし、『純白の袷の着物』もあります。

つまり、色で季節が決まることはありません。

さとし
ただ、『着る人の気持ちの部分』と『周りが見る印象』というのがあるので、そういった意味も含めて自由に考えるといいと思うんですよね。

柄に関しては例外あり

特に『薄物・夏物』の着物にはその季節の柄が描かれていることが多いです。

例えば『朝顔』とか『金魚』とかです。

それ以外にも『季節の柄』ってありますよね。

その部分は間違えると『その人のセンス』が問われかねないので、注意が必要です。

さとし
逆にそれをコーディネートの楽しみに変える、そんな着物の着こなしを目指して欲しいですよね。

季節にあった着物の種類【最後に主張を】

季節にあった着物の種類【私、さとしの推奨とは?】

ここからは私、さとしの主張です。

一つの提案として受け止めてください。

さとし
これからの時代は着物の主流は『単衣(ひとえ)』です。

当然、寒い時は寒いので『袷』を着る時もあるのですが、これから着物を揃えようと思うのであれば、『単衣』で着物を作ることを僕はオススメします。

理由は『楽しく着物を着るのであれば《活動》するから』です。

フォーマルの着物は、その場面で着るという要素があるので、そんなに動きがないんですよね。

でも『着物を着てお出かけをしたい』というカジュアルの思いがあるのなら、やっぱり動きやすい方がいいですよね。

それならば『単衣』の方が断然機能的です。

そして、先ほども話しましたが『袷と単衣』は見た目に違いがありません。

皆さんは非常に気にされますが、見た目の違いで指摘されることは本当にありません。

着物好き女子
でも、突然寒くなったりした時の温度調節ってどうしたらいいの?

温度調節なら、着物には『羽織やコート』などの上に着る物も豊富にあります。

もしくは『ショール』を鞄の中に入れておいたら、ちょっとした寒暖の調節ができるんです。

さとし
なので、『用途の広さ』『機能性』『行動力』を考えても僕のオススメは単衣‼︎

そう主張させていただきます。

まとめ

まとめ

ということで、『季節にあった着物の種類』についてお話をしてきました。

当然『着物の着方』は個人の思いが最優先されます。

その中で、『もっと気軽に着物を楽しむための着物のつくり方』の話もさせていただきました。

この記事を読んで、着物の楽しみを見出してくれるなら嬉しく思います。

皆さんの着物ライフを応援しています。

では、よき『きもの』ライフを(^^)y