男性着物の種類を『男女比較』でわかりやすく解説

男性着物
さとし
さとし
私、さとし。
・着物の営業・販売16年
・着物の店舗運営11年(店長歴)
・現在は着物の制作にたずさわっています

この記事では『男性着物の種類』をお話しします。

さとし
さとし
男性着物を考える『前提』として…
①『男性着物』と『女性着物』の種類は違う
②『男性着物』は基本無地(※柄物の男性着物もあります)
③『あわせる物(羽織・袴)』によって種類(格)が決まる

これを押さえて下さい。

この『前提』が男性着物の種類を考える場合に重要で、さらに『女性着物と比較』することでわかりやすくなります。

▼まとめると…▼

●男性着物
生地の素材『あわせる物(羽織・袴)』によって種類が決まる
(※プラスとして『家紋』の要素)

●女性着物
生地の素材柄の配置で種類が決まる

この前提をもとに『以下の手順』で、詳しく男性着物の種類を考えていきます。

①『女性着物』との比較で前提のおさらい
②男性着物の種類
③変わりゆく男性着物について
この記事の最後にも言いますが、男性着物は(着物全体でも同様に)変化しています。
なので『種類』を決定することは本当は難しいのですが、基本的なことを知らないと着物を楽しめないと思い、この記事を綴っています。

ともあれ…

さとし
さとし
私、さとし、着物を着たい男性を全力で応援しています。
ぜひ、着物を始めてみましょう!

男性着物の種類を『男女比較』でわかりやすく解説【前提】

男性着物の種類【前提のおさらい】

冒頭にお話しした『前提』を詳しく掘り下げていきます。

男女の比較でわかりやすく

さとし
さとし
まずは『女性着物の種類』から説明した方がわかりやすいので、『訪問着』と『小紋』と『紬』を例に出して説明していきます。

●『訪問着(ほうもんぎ)』は、『裾・左肩前・左袖前・右肩後・右袖後』に柄がきて、用途は『フォーマル』です

●『小紋(こもん)』は、全体柄で、用途は『カジュアル』です。

●『紬(つむぎ)』は、生地が『先染めの糸』を使っており、用途は『カジュアル』です。

さとし
さとし
『生地の素材』と『柄の位置』で種類が分けられているんですね。
『色』の要素も多少はあります。『留袖(とめそで)』という種類の中にも『黒留袖』と『色留袖』とがあり、黒留袖の方が格が高いといった風にです。

 

さとし
さとし
一方、男性着物の種類ですが、これを語る時は『羽織』と『袴』の存在がキーポイントです。

男性着物は『羽織』をはおったり『袴』を履くことで、格が上がります。

要は『フォーマル用途になっていく』ということです。

もう一つは『素材の違い』です。

男性着物でも『先染めである紬』で着物を作ると、『カジュアル用途』になるのです。

男性着物の種類

男性着物の種類

前提をおさらいした上で、男性着物の種類をお話ししてきます。

フォーマル用途の男性着物

まずは格の高い、フォーマル用途の男性着物です。

黒紋付羽織袴

黒の無地の着物に『家紋』をつけて、同じ素材の黒の羽織(これも家紋入り)をはおり、『仙台平(せんだいひら)』と呼ばれるグレーの縞の袴を履きます。

男性着物の最上格です。

主に『婚礼』などで着用します。

色紋付羽織袴

これは『黒』以外の紋付羽織袴です。

袴は『黒』の場合は『仙台平』が定番ですが、『色』の場合は特に問いません。

これで『家紋』がつかなければ、略礼装になります。

お召

さとし
さとし
この『お召』と呼ばれるのは、先染め(本来カジュアル)の着物でありながら、江戸時代のある将軍が好んで『お召になった』といういわれから、礼装にも使える男性着物とされているのです。

『そんなことするから、よくわからなくなるじゃん…』と言われてしまいそうですが、『将軍の影響力がさすがなんだ!』としか言いようがありません。

男性の社交着として広く愛用されているのが『お召』なんです。

カジュアル用途の男性着物

さとし
さとし
男性着物でカジュアルを定義するのは難しいのですが、前提とされている要素を取っていくことで、男性着物はカジュアルに向かいます。

『家紋』を入れることで『バッチバチのフォーマルになる』ので、カジュアルでは家紋はつけません。

『袴』を履かないと、さらにカジュアル感が増します。

素材が先染めの着物(紬〜お召をのぞく)になると、もっとカジュアル感が増します。

羽織もはおらない男性の着姿を『着流し』と言い、『家着』のイメージですね。

さとし
さとし
こんな感じで『男性の着物の種類』が決まっていくのです。
▼『男性着物にとっての羽織の存在』をまとめた記事はコチラ▼

【まとめ】男性着物にとって羽織の存在とは?

男性着物の変化【ファッションとしての男性着物】

男性着物の変化【ファッションとしての男性着物】

男性着物は変化しています。

そのスピードはどんどん速くなっています。

その変化とは何か?

さとし
さとし
カジュアル化です。

小難しく『男性着物の種類』をお話ししてきましたが、カジュアル(ファッション)として男性着物を楽しむのであれば、ルールは『念頭に置いておく』だけでいいのだと思います。

男性着物は基本は無地と言いましたが、『訪問着』のような柄付けがされている男性着物がないわけではないし、これから着る人が増えるかもしれません。

さとし
さとし
つまり『自由』なんですよね。

これは『女性着物』にも同様のことが言えるのです。

着物はもっと自由になり、進化していくんですよね。

その方がもっと楽しめます。

そしてその中には『伝統』を楽しみたいと思う人もいるんです。

そんな時は『この記事』をまた読み返してみて下さい。

まとめ

着物を着る人が増えています。

昔は着物は『持つ物』でしたが、今は『着る人』が増えているのです。

着物は『自分の個性を表現するモノ』『楽しんで着るモノ』になっているんです。

僕はその流れを応援する者です。

さとし
さとし
もっと自由に着物を楽しみましょう。
全力で応援させていただきます。

 

では、よき『きもの』ライフを(^^)y