
着物の営業・販売の仕事をしています。
この道16年、お客様とともに着物の輪を広げてきました。
今は店舗の店長を任されています。
このブログでは、私の経験をもとに着物のあれこれをお話ししています。
今回の着物の柄は『大島紬』を取り上げます。
これまでのまとめはコチラ
『大島紬』といえば、一番有名な着物といえるかも知れません。
着物に詳しくない人でも、その名前は聞いたことがあるかもしれません。

目次
黒いダイヤモンド【大島紬】

大島紬は、主に鹿児島県『奄美大島』でつくられる、織と染の着物です。
その歴史は古く、約1300年前(734年)に奈良東大寺の献物帳に記録されています。
伝統工芸品としても『黒いダイヤモンド』ともいわれる、大島紬ですが…
②先染め手織りである
③平織りである
④締機(しめばた)にて絣の加工をしている
⑤手機で織り上げている
この5要素を満たすと、『伝統工芸品大島紬』の証書を与えられるんですよね。
補足説明![]()
先ほどの5つの要素…
絹100%である
絹100%は、わかりますよね。
先染めである
『先染め』というのは、糸を染めて織っているという事です。
それに対して『後染め』は、白生地を作ってそこに染め等で柄をいれるやり方です。
平織りである
『平織り』というのは、縦横の糸が一本づつ浮き沈みする、基本的な織り方を指します。
対するは『綾織り』です。
締機にて絣(かすり)の加工をしている
『締機(しめばた)』の説明は難しいのですが、大島紬は『先染めの糸』を染める時に、『染め抜くところ』を綿の糸で織り上げます(締め上げる)。
それを染めて、再度ほどいて、柄をあわせて織り上げるという工程を取ります。
手織りで織り上げている
『手織り』というのは、読んで字のごとくオートメーションではなく、織機を使って人の手で織り上げるという事です。
大島紬を最終的に織り上げるのは、女性の方です。

泥で染める芸術『大島紬』

色んな特徴のある『大島紬』ですが、代表的なものに『泥染め』があります。
この泥染めは、世界中で『大島紬』だけが取り入れてる、天然の染色方法です。
シャリンバイと呼ばれる植物を煮立てたものと、奄美大島の『泥』で交互に染めていくことによって、糸が化学反応で光沢のある『黒』に染め上がるんです。
これは、火山の土地である『奄美大島』の土壌に鉄分が多く含まれているからできることなんです。
まさに自然と融合した着物ですよね。
そんな自然を活かした『大島紬』、柄にもその要素があるんです。

この柄は『龍郷柄』といって、奄美大島に生息する『ハブ』と草木を融合させた柄なんですよね。
究極のカジュアル着物

そんな『大島紬』の着用のTPOは『カジュアル』です。
洋服に例えるなら『デニム』のような感覚なんですよね。
お値段のほうもなかなかする『大島紬』ですが、それを普段着として着るというのは最高の贅沢ですよね。
この感覚が、『女性の憧れ』と呼ばれる所以なんですよね。

『着物のTPO』についてはコチラ
まとめ
ということで、『大島紬』についてまとめてきました。
『着物の世界』は本当に奥が深いですよね。
『大島紬』のみならず、『着物』には『地域』や『環境』にあわせて作られているものが、たくさんあります。
それを感じながら、『着物』を着るのも楽しみと醍醐味ですよね。

では、よき『きもの』ライフを(^^)y
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