【一覧】着物の柄の種類を100枚以上の写真で解説〜意味と名前も分かる〜

着物の柄
●着物や帯の柄について知りたい
●自分の着物の柄って何なのかな?
●その柄にまつわる『意味』や『いわれ』を知りたい

 

着物の柄は実に様々です。

着物の柄には『四季』があり『生活』や『風土』そして『伝統』があります

 

特に『モダン化が進む現代の着物』では、その範囲に収まらない柄もたくさんです。

さとし
この記事では、着物の柄を一覧で紹介し、その柄について解説する試みです。
見て楽しむのもよし、自分の着物の柄と照らし合わせるのもよし、参考に使うのもよし、用途に合わせてお使いください。

 

内容に入る前に、少しだけ私の自己紹介を…

さとし
私、さとし。
・着物の営業・販売の仕事を19年しています
・着物の店舗運営(店長歴)11年
・現在は着物の制作にたずさわっています。

 

この記事では、着物の柄を多数の写真と共に紹介します。

主に触れる内容は以下の通りです。

・着物の柄の名称の紹介
・柄の『いわれ』の紹介
・柄によるTPOなどの紹介

 

柄の写真は随時更新しています。

非常に長い記事なので、目次から知りたい所に飛んでみて下さい

目次

着物の柄の種類【植物の柄の一覧】

着物の柄の種類【植物の柄】

日本は『四季の移ろい』がはっきりした国であり、四季折々の植物が季節を彩ります。

さとし
着物にも植物や花々の柄は多く、着物らしさを演出します。

【着物の柄の種類】花の柄の一覧

着物好き女子
やっぱり花柄は着物の定番よね。
さとし
そんな花柄について見ていきましょう

菊(きく)の柄

菊の柄

菊は梅、竹、蘭とともに四君子と呼ばれ、皇室の紋章となっていることから、非常に馴染みのある柄として愛用されています。

 

着物の柄として、格の高さを演出できます。

菊の柄②
菊の花言葉には『高貴』や『高尚』といったものがあります。
乱菊(らんぎく)の柄
乱菊の柄

菊の花びらを大きく長くして、乱れ咲いた様子を紋様化した柄です。

さとし
モダンで粋さがある柄ですよね。
菊青海波
菊青海波

菊の葉を青海波に見立てた文様で、豪華な印象になります。

さとし
こういった連続柄は、着物の地柄やに使われることも多く、格調を高くさせます。

 

蒲公英(たんぽぽ)の柄
蒲公英の柄

タンポポは菊の一種です。

着物好きマダム
やっぱり、春に合わせたい柄ね。
変わり種(菊と桐)

コチラは下半分が菊、上半分が桐、組み合わせた柄です。

着物好き女子
日本を象徴する柄の組み合わせね。

桜(さくら)の柄

桜の柄

桜は日本を象徴する花として人気があります。

着物好き女子
色んな着物に使われているイメージがあるし、間違いのない柄よね。
さとし
桜の咲く期間は短く、儚さを秘めた美しい柄なんですよね。
桜の花言葉は『優美な女性』です。

牡丹(ぼたん)の柄

牡丹の柄

『幸福』や『富』の象徴である、牡丹の柄です。

印象的な赤の大輪の花を咲かせることで、華やかなイメージを演出したい時に使いたい柄です。

着物好き女子
モダンでかっこいいイメージよね。

薔薇(バラ)の柄

薔薇の柄

西洋では美と愛の象徴で、モダン柄の代名詞として着物でもよく使われます。

着物好きマダム
薔薇は女性を虜にする魅力があるのよね。
薔薇の柄 薔薇の‘柄

桔梗(ききょう)の柄

桔梗の柄

万葉集でも詠まれる日本の伝統の柄です。

さとし
多くの武家や大名もこの柄をにしていることもあり、使われやすい柄です。
着物好き男子
桔梗の紋で有名なのは『明智光秀』ですよね。
桔梗は『秋の七草』の一つでもあります。

梅(うめ)の柄

梅の柄

梅はまだ寒い時期に咲くことから『百花のさきがけ』と呼ばれ、厳しい境遇の中でも咲く理想的な生き方と重ね合わせられてきました。

着物好きマダム
新春のイメージの花よね。
梅は菊、竹、蘭とともに四君子とも呼ばれています。

 

モダンな梅
着物好きマダム
染めで梅を表現してるモダンな柄ね。

杜若(かきつばた)の柄

杜若の柄

尾形光琳の絵で有名な杜若です。

着物好き女子
初夏のイメージの花ね。

菖蒲(あやめ)と非常によく似た花です。

藤(ふじ)の柄

藤の柄

房状に垂れ下がるその様が、豪華な雰囲気を出す柄です。

さとし
日本では藤原一門を象徴する花として高い格付けであり、着物でもよく使われる柄です。

椿(つばき)の柄

椿の柄
さとし
雪が降る時期でも緑葉を落とさない椿は、凛とした印象で愛される柄です。

寒椿とも言われる冬の花になります。

椿の花言葉は『控えめな素晴らしさ』『気取らない優美さ』です。

桐(きり)の柄

桐の柄
さとし
桐は鳳凰が棲む木とされ、天皇家および日本国の象徴とされる柄です。

日本の内閣は桐紋章を用いています。

格の高い柄とされ、多方面で活用されます。

桐竹鳳凰(きりたけほうおう)の柄
泰平の世を治めた君主を褒め、天上から鳳凰が舞い降り、鳳凰は桐に栖み、竹の実を食すとされる。

そんな意味のある非常におめでたい柄です。

着物の地柄によく使われます。

蘭(らん)の柄

蘭の柄

松、竹、梅と組み合わせて『四友』、竹、梅、菊と合わせて『四君子』と呼ばれる蘭です。

着物好きマダム
洋風なイメージもあるわよね。
さとし
現代の着物の着装シーンでも使いやすい柄ですよね。
蘭の花言葉は『美しい淑女』『優雅』です。

葵(あおい)の柄

葵の柄

徳川家の家紋でお馴染みの葵の柄です。

着物好き女子
ハート型のような葵の葉が、可愛らしいのよね。

百合(ゆり)の柄

百合の柄

記録に残る上では、『室内で飾られた日本最初の花』である百合です。

 

その清楚なイメージをそのままに、着物の柄として使えます。

着物好きマダム
美女の形容として『立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花』という言葉があるわよね。

【着物の柄の種類】枝葉の柄の一覧

さとし
着物における植物の柄は花だけでなく、その枝や葉も多く使われます。

そんな枝葉の柄に、迫っていきましょう。

蔦(つた)の柄

蔦の柄

蔦は繁殖力が強く、『商売繁盛』の縁起物として親しまれてきました。

さとし
着物にとっても非常に使いやすく、着物のみならず、帯や襦袢、小物まで幅広く使われる柄です。
着物好きマダム
季節を問わないのもポイントよね。

松(まつ)の柄

松の柄
さとし
松は四季を通して落葉しない『常盤の松』と呼ばれています。

長寿の象徴として、非常に縁起のいい柄として愛用され、着物にもよく使われます。

松葉の柄
大王松の柄
大王松の柄

長い葉が特徴的な大王松を図案化したものになります。

竹(たけ)の柄

竹の柄

天高くそびえる竹の姿は神聖なものとされ、縁起のいい柄とされています。

さとし
その姿には様々な神が宿るといわれ、着物にもよく使われる柄です。
笹の柄

唐草(からくさ)の柄

唐草の柄

古代ギリシアで使われた『パルメット』という植物紋様が、この唐草の起源とされています。

さとし
それが仏教とともに伝わり、途切れることのない縁起のいい柄として、非常によく使われます。

楓(かえで)の柄

楓の柄
着物好きマダム
楓はやっぱり、秋の柄の筆頭よね。
さとし
そうですね。
春の桜、秋の楓として日本の四季を彩る代表的な柄として愛用されています。

【着物の柄の種類】実の柄の一覧

植物は次の子孫を残すために実をなします。

さとし
その実にも多くの意味があり、着物の柄としてもよく使われます。

橘(たちばな)の柄

橘の柄

古事記では不老不死の理想郷である『常世の国』に自生する植物とされています。

さとし
長寿を招き、元気な子供を授かる柄とされています。
着物好きマダム
印象的な実が特徴の柄ね。

南天(なんてん)の柄

南天の柄

漢方では薬用の一種として用いられます。

着物好きマダム
『難を転ずる』という語呂合わせで、縁起柄とされているわよね。
冬に赤い印象的な実をつけることから、冬の柄として定着しています。

瓢箪(ひょうたん)の柄

瓢箪の柄 瓢箪の柄

かつては瓢箪の中身をくり抜いて、水筒の代わりに使われていました。

無病息災の意味がある縁起柄です。

千成瓢箪という小さく数の多い瓢箪は、豊臣秀吉の馬印として有名です。

稲穂(いなほ)の柄

稲の柄

日本の主食であり、秋の豊穣を意味する柄です。

着物好きマダム
実るほどに頭を下げるその姿は、日本人の謙虚な心を表しているのよね。

葡萄(ぶどう)の柄

葡萄の柄

実のなる様子が『豊作』と『子宝に恵まれる』との意味があります。

着物好き女子
可愛らしい印象もあるのよね。

茄子(なす)の柄

茄子の柄

茄子は『成す』に通じ、『成し遂げる』という意味があります。

着物好きマダム
あまり着物では見ない柄ではあるわよね。

辻ヶ花(つじがはな)の柄

辻ヶ花の柄

辻ヶ花とは『染色の様々な技法』で作られる柄の総称です。

さとし
その歴史は古く、室町時代の後期に生み出されました。

 

江戸時代に友禅の技法が確立すると、辻ヶ花は廃れていきましたが、現代に甦りあらゆる種類の着物に描かれています

着物好きマダム
辻ヶ花の訪問着は豪華で、母に揃えてもらったわ。
着物好き女子
私は、辻ヶ花の振袖を着たわ。

着物の柄の種類【動物の柄の一覧】

着物の柄の種類【動物の柄】

動物の自然な姿は、着物のみならず多くの柄に使われます。

さとし
動物柄は根強い人気がある(マニアのいる)着物の柄です。

【着物の柄の種類】伝説の動物の柄の一覧

さとし
まずは『伝説の動物柄』です。
現実には存在しないが、物語や象徴などに使われる伝説の動物です。

龍(りゅう・たつ)の柄

龍の柄

龍は古代中国で作り出された伝説の動物で、世界中で人気を誇る柄です。

龍の柄②

強面の雰囲気ですが、縁起のいい柄としてよく使われます。

龍の柄③

鳳凰(ほうおう)の柄

鳳凰の柄

鳳凰は鳳が雄、凰が雌を表します。

さとし
龍と同様に天の使いであるとされる伝説の生き物です。
着物好きマダム
おめでたい着物にもよく使われる、豪華で格調の高い柄よね。

【着物の柄の種類】鳥の柄の一覧

さとし
鳥類は信仰の対象となることも多く、着物の柄としてもよく使われます。

鶴(つる)の柄

鶴の模様

鶴は長寿の象徴です。

着物好き女子
鶴は千年ね。

 

さらに『つがい』で生活することから夫婦円満の意味もあります。

着物好きマダム
なるほど、だからおめでたい柄の象徴にもなっているのね。
折り鶴の柄
折り鶴の柄
さとし
折り紙で鶴を折るようになったのは江戸時代です。
着物好き女子
折り鶴にすると気軽なイメージにもなるわよね。
鶴菱(つるびし)の柄
鶴菱の柄

向かい合う二匹の鶴が、羽を広げて菱形にまとめた紋様です。

さとし
『阿吽の呼吸』と呼ばれる息のあった様子を表す縁起柄とされています。

鴛鴦(おしどり)の柄

鴛鴦の柄
さとし
『おしどり夫婦』という言葉があるように、家庭円満の意味が込められた柄になります。

 

古くは能装束としても使われた柄になります。

着物好きマダム
これもフォーマルの着物でよく使われる柄よね。

千鳥(ちどり)の柄

千鳥格子の柄

千鳥は鳥の種類ではなく、河原や海辺で見られる小鳥の総称です。

 

さとし
上の写真は千鳥格子と呼ばれる千鳥の群れをモチーフにした柄です。
着物好きマダム
洋服にもよく使われる柄よね。

梟(ふくろう)の柄

梟の柄
さとし
梟は不苦労(苦労をしないという意味)という当て字が使われる、縁起のいい柄です。

 

着物好き女子
梟って可愛いのよね。
着物好きマダム
おしゃれな着物に使われるイメージだわ。

白鳥(はくちょう)の柄

白鳥の柄

白鳥は着物の柄としては珍しいです。

着物好きマダム
確かにあまり見ないわ。

 

さとし
日本書紀に出てくるヤマトタケルは、死後に白鳥になったという伝説があり、日本では親しまれている鳥です。

孔雀(くじゃく)の柄

孔雀は生命力が高く、邪気を払うと信仰された鳥です。

着物好きマダム
豪華なイメージがあるわよね。

 

さとし
訪問着や留袖などの格式の高い着物に使われる柄です。

一方羽単体の柄もあり、コチラはカジュアルな着物や帯などにも使われます。

【着物の柄の種類】哺乳類の柄の一覧

さとし
哺乳類は人の生活の中にもいて、身近な動物として扱われています。

着物の柄としても、使われることの多い柄です。

虎(とら)の柄

虎の柄

虎は日本には生息しない動物ですが、中国では百獣の王とされており、日本の物語でも度々出てくる動物です。

着物の柄としては、その勇猛な姿が愛されています。

 

着物好き男子
やっぱり虎柄ってかっこいい!
虎の柄
さとし
龍や鷹と共に、男性着物の裏地や男の子の祝い着に描かれることも多いですよね。

猫(ねこ)の柄

猫の柄

着物における猫の柄は非常に多岐に渡ります。

着物好きマダム
洋風の猫と、和風の猫があるわよね。

様々なモチーフの猫柄があり、多くの人に愛されています。

 

着物好き女子
猫好きって多いから、着物でも選ばれる柄なのよね。

蝙蝠(こうもり)の柄

蝙蝠の柄

蝙蝠は西洋では不吉なものとされています。

さとし
しかし日本では、蝙蝠の『蝠』の字が福と同じ発音をするため、吉祥文様とされています。

かっこいいイメージのある柄になります。

兎(うさぎ)の柄

兎の柄

兎には月に棲むという伝説があります。

 

さとし
その愛らしい姿とともに、人気のある柄として着物にも登場します。
着物好き女子
日本の古典の物語にも出てくる、歴史のある柄なのよね。

パンダの柄

パンダの柄
さとし
着物に使われることは珍しい、中国を代表する動物の柄です。

人気のある動物なので、最近は着物にも使われる柄です。

象(ぞう)の柄

象の柄

インドでは象は神の象徴です。

さとし
日本にはいない動物ですが、その存在感ゆえによく知られていて、鳥獣戯画にも象が出てきます。

数は多くありませんが、着物にも使われる柄です。

【着物の柄の種類】昆虫の柄の一覧

さとし
自然とともに生活してきた日本において、昆虫の存在は欠かせません。
着物好きマダム
季節を感じさせてくれるのも、昆虫の特徴ね。

 

そんな昆虫の柄を見ていきましょう。

蜻蛉(とんぼ)の柄

蜻蛉の柄
さとし
前にしか進まない『勝虫』と呼ばれる蜻蛉は、古くは武士の間で好まれた縁起のいい柄です。
着物好きマダム
夏の終わりを感じさせる柄ね。

蝶(ちょう)の柄

蝶の柄
さとし
蝶は幼虫から成虫へと美しく姿を変えることから、『女性の美しさ』を表しています

羽を広げた幻想的な姿が、様々なイメージで着物の柄として使われます。

着物好き女子
モダンなイメージがあるわよね。

【着物の柄の種類】海の動物の柄

四方を海に囲まれた日本では、海とその動物にまつわる柄はたくさんあります。

魚(さかな)の柄

魚(さかな)の柄

魚は富と幸福のシンボルであり、たくさんの卵を産む子孫繁栄の柄として扱われてきました。

着物好きマダム
着物の柄として使うと、個性的なイメージになるわよね。

貝(かい)の柄

貝の柄

貝合わせという貴族の遊びがあります。

さとし
貝殻の上と下は他の貝殻では合わないので、貝殻の裏に絵を描いて、神経衰弱みたいな遊びです。

 

そんないわれがある高貴な古典柄として使われます。

着物の柄の種類【自然の柄の一覧】

着物の柄の種類【自然の柄】

日本には様々な自然があります。

さとし
その自然を紋様化したものは多く、着物の柄にもよく使われるんですよね。

波(なみ)の柄

波の柄

寄せては返す波は、母なる海を象徴する柄です。

さとし
島国・日本を感じさせてくれる柄で、季節を問わずに使えます。

流水(りゅうすい)の柄

流水の柄

生命の源である『水の流れ』を表した紋様になります。

着物好きマダム
色んな柄と組み合わせて使われることが多いわよね。

稲妻(いなずま)の柄

稲妻の柄

雷紋と呼ばれる力強い荒々しい柄です。

さとし
中国古来の代表的な紋様です。

万物、田畑を潤す雷雨を表すので、吉祥文様とされています。

月(つき)の柄

月の柄

太陽とともに、古くから信仰の対象となっている月の柄です。

さとし
形を変えるその姿が『魅力的』として使われます。

着物の柄の種類【道具の柄の一覧】

着物の柄の種類【道具の柄】
さとし
人間が作った伝統的な道具も、着物の柄としてよく使われます。

御所車(ごしょぐるま)の柄

御所車の柄

貴族が移動時に使った、華やかな乗り物です。

さとし
幸せを運ぶという意味が込められています。
着物好きマダム
おめでたい柄の代名詞とも言える柄よね。

扇(おうぎ)の柄

扇の柄

扇は末広がりの形から、将来の発展や繁栄を願う意味があります。

さとし
未来への成功を願う柄としてオススメです。
扇子の柄

 

金駒刺繍があしらわれた扇の柄。
格式高い着物に描かれます。

糸巻き(いとまき)の柄

糸巻きの柄

布を作るための糸を巻き付ける道具です。

さとし
古代日本では糸巻きを千切(ちきり)とも呼びました。
千切とは2つのものを結ぶという役目から、愛を交わす『契』にも通づる縁起柄です。
着物好き女子
素敵な話ね。

傘(かさ)の柄

傘

傘はかつて、身分の高い人しか使えませんでした。

さとし
雨の日に咲く花のようなイメージで、着物の柄としても使われます。

楽器の柄

伝統的な道具の中には、楽器もあります。

それらを特集します。

鼓(つづみ)の柄

楽器の柄

舞の伴奏や、能楽の囃子として使われる打楽器です。

日本の伝統的な柄として使われています。

笙(しょう)の柄

笙は雅楽に使われる笛の一種です。

華やかな印象があるので、おめでたい着物で使われる柄です。

横笛の柄

横笛は雅楽に使われる管楽器です。

『おうてき』『ようじょう』とも呼ばれます。

琴(こと)の柄

琴とは、日本の伝統楽器です。

着物好き女子
今もお稽古で『お琴』を習っている人は多いわよね。

貝桶(かいおけ)の柄

貝桶の柄

『貝合わせ』という、平安貴族の遊びに使う貝を収納する容器です。

さとし
嫁入り道具の一つとされていたことから縁起物とされています。

茶器(ちゃき)の柄

茶器の柄

戦国時代に武士の嗜みとして広がった茶道には様々な道具があります。

さとし
当時の人々はそれを揃えることがステータスでした。
着物好き男子
茶器の取り合いで戦になる程だったんですよね。

ひな人形の柄

ひな人形の柄

桃の節句に行われるひな祭り、そのひな人形の柄です。

着物好きマダム
限定された季節感のある柄よね。

【着物の柄の種類】宝尽くし(たからづくし)

宝尽くしの柄

室町時代より見られる、福徳を招く縁起のいい柄です。

さとし
宝尽くしの柄を一つづつ紹介していきます。

隠れ蓑(かくれみの)

隠れ蓑

天狗の持ち物で、被ると姿が見えなくなります。

隠れ笠(かくれかさ)の柄

隠れ笠

隠れ蓑を同じ素材で作られた、姿を見えなくする笠

宝珠(ほうじゅ)

宝珠の柄

密教道具の一種で、望んだものを出すことができます。

打出の小槌(うちでのこづち)

打出の小槌

大黒天の持ち物で、振ると欲しいものが手に入ります。

巾着(きんちゃく)

巾着

お金やお守り、香料などを入れる袋です。

子字(ちょうじ)

丁子

当時、貴重だった香料の柄です。

宝鑰(ほうやく)の柄

鍵

宝物を守る蔵の鍵です。

宝巻(ほうかん)・巻軸(まきじく)の柄

宝巻宝巻はありがたいお経が書かれたもの、巻軸は秘伝などを記したものです。

筒守(つつまもり)の柄

筒守

宝巻や巻軸を入れるです。

分銅(ぶんどう)の柄

分銅

物の重さを量る時に用いるおもりです。

方勝(ほうしょう)の柄

方勝

中国の『雑八宝』のひとつで、首飾りです。

七宝(しっぽう)の柄

七宝

円満が続くといわれる縁起柄です。

【着物の柄の種類】人が描かれた柄

さとし
着物の柄の中には人が描かれているものもあります。

行列(ぎょうれつ)の柄

大名行列や祇園祭などの行列の柄があります。

さとし
おめでたさや厄除けの意味があります。
描かれている人々の着ているものを見ると、時代を感じることができます。

童(わらべ)

子供を表す柄です。

さとし
竹馬やコマなどで遊んでいる子供の様子が描かれたりします。

古代壁画の柄

古代文明の壁画に描かれた人を、着物に描いたものです。

【着物の柄の種類】小紋に使われる幾何学模様

小紋に使われる幾何学模様
さとし
世界中で愛される、日本の幾何学模様です。

和の世界を飛び出して、色んなところで使われる柄になります。

市松(いちまつ)

市松

正方形を交互に並べた幾何学模様で、奈良時代から伝わる紋様です。

さとし
オリンピックのエンブレムに選ばれたりアニメのキャラクターの衣装になったりと非常に愛されている紋様です。
市松

麻の葉(あさのは)

麻の葉

麻の葉紋様は正六角形を基本とする『割り付け(幾何学)』であり、その姿が麻の葉に似ていたことから、その名が付いています。

さとし
柄の形が先で、麻の葉の名前が後です。

 

麻の葉は成長が早いことから『子供の成長祈願』の思いも含まれます。

市松模様と並び、日本の代表的な幾何学模様です。

格子(こうし)

格子の柄

縦と横の非常にシンプルな柄ですが、その間隔やバリエーションが多岐にわたる柄となっています。

青海波(せいがいは)

青海波

波の幾何学模様になります。

 

無限に広がる穏やかな波の模様には、『永遠』や『平和な暮らしへの願い』の意味があります。

鱗(うろこ)

鱗の柄

鱗を紋様化した柄になります。

さとし
鱗は身体を守るという意味があります。

矢絣(やがすり)の柄

矢絣の柄

矢羽根の模様を表した柄になります。

さとし
矢は真っ直ぐに進むということで、縁起柄とされています。
着物好き女子
卒業式の袴下の着物としても人気があるわよね。

縞(しま)の柄

縞の柄

縞模様は最もシンプルな柄として、様々なものに使われます。

亀甲(きっこう)の柄

亀甲の柄

六角形が連続的に並んだ、文字通り『亀の甲羅』をイメージした柄になります。

さとし
亀は長寿の象徴であり、さらには身を守るという意味もある縁起のいい柄です。

毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)の柄

毘沙門亀甲の柄

財産や福徳をもたらす七福神の一神である毘沙門天の甲冑に使われる紋様です。

紗綾形(さやがた)の柄

紗綾形

紗綾形は『卍』を崩した連続柄になります。

 

さとし
紗綾というのは光沢のある生地のことで、そこにこの柄がよく使われることからこの名がついています。

卍に身体を守られている、そんな意味があります。

皮菱(まつかわびし)の柄

松皮菱の柄

菱形の上下に小さな菱形をつけた紋様です。

松の皮をはがした形に似ているので、この名前がついています。

江戸小紋の柄としてもよく使われます。

源氏香(げんじこう)の柄

源氏香の柄

香道とは『香りを鑑賞する日本の芸道』であり、源氏香とはその香りの元となる香木の種類を表す図柄です。

着物好きマダム
よく見ると一つ一つの柄が違うのよね。

【着物の柄の種類】人の柄

 

着物の柄には人をモチーフにしたものもあります。

隈取り(くまどり)の柄

隈取りの柄

隈取りは、歌舞伎独特の化粧法のことです。

さとし
日本伝統の化粧法ということで、着物の柄にも使われるんですよね。
着物好き女子
歌舞伎ファンにはたまらない柄ね。

骸骨(ガイコツ)の柄

骸骨の柄
さとし
骸骨は『人の命の大切さ』を連想させる、縁起柄としても使われます。
着物好き女子
少し不気味だけど、人気の柄でもあるわ。

【着物の柄の種類】技法の柄

【着物の柄の種類】刺繍のそれぞれ

着物や帯を作り出す技法には様々なものがあり、特有の柄があります。

ここでは、その柄を紹介していきます。

【着物の柄の種類】刺繍の柄

刺繍は柄を描く為の技法です。

さとし
そんな刺繍にもいろんな種類があるのでご紹介します。

蘇州刺繍(そしゅうししゅう)

蘇州刺繍

中国の蘇州地方で縫われる刺繍です。

汕頭刺繍(すわとうししゅう)

汕頭刺繍

中国の汕頭地方で受け継がれる刺繍です。

ヨーロッパの刺繍の技術と融合させて、作られています。

汕頭刺繍

相良刺繍(さがらししゅう)

相良刺繍

玉結びの連続で表現する刺繍です。

【着物の柄の種類】紅型(びんがた)

【着物の柄の種類】紅型

紅型は琉球・沖縄を代表する染色技法です。

紅型の紅は色全般を指し、型は様々な模様を指します。

【着物の柄の種類】絞り

絞りも柄を描く為の技法です。

絞りは、やり方によって柄の出方が違うので紹介します。

鹿の子(かのこ)刺繍

鹿の子絞り

鹿の子刺繍は小さな粒の刺繍です。

さとし
鹿の子供の斑点に似ていることから、その名前が付いています。

有松(ありまつ)絞り

有松絞り 有松絞り

有松絞りは、愛知県名古屋で生産される絞り染めです。

さとし
100種類以上に及ぶ絞りの技法があります。

【着物の柄の種類】モダン柄

【着物の柄の種類】モダン柄

着物に使われる柄は伝統柄だけではありません。

さとし
和の世界を飛び越えた、様々な種類の柄があります。

ハロウィーンの柄

ハロウィーンの柄

今やバレンタインを上回る勢いのハロウィーンの柄です。

トランプの柄

トランプの柄

ご存じ、トランプをあしらった柄です。

トランペットの柄

トランペットの柄

洋楽器のトランペットです。

モダンな装いで使いたい柄です。

音符の柄

音符の柄

根強いファンの多い、音符の柄です。

エッフェル塔の柄

留袖に描かれたエッフェル塔の柄、何やら想いがありそうです。

帯の柄の種類の色々

帯の柄の種類の色々

帯にも様々な柄があります。

さとし
帯独自の柄もあります。
そんな柄を紹介していきます。

【帯の柄の種類】正倉院紋様(しょうそういんもんよう)

帯の柄の種類【正倉院紋様】

奈良時代に建立された正倉院には、東大寺の大倉として様々な品が残されています。

さとし
十数万点にも及ぶ宝物は一般的に『正倉院裂(しょうそういんぎれ)』と呼ばれています。

その正倉院裂の紋様を、正倉院紋様と呼ぶのです。

豪華でありながらエスニックな雰囲気が漂うその柄は、多くの帯に使われています。

【帯の柄の種類】博多織・献上柄

博多帯の柄

博多帯にも様々な柄がありますが、その中でも有名なのがこの献上柄です。

さとし
江戸時代初期に、黒田長政が幕府への献上品として博多織を選び、その柄として採用されました。

献上柄は以下の4つの柄から成り立っています。

親子縞(おやこじま)

親子縞

太い縞が細い縞を挟むように描かれた縞で、親が子を守る意味があります。

孝行縞(こうこうじま)

孝行縞

細い縞が太い縞を挟むように描かれた縞で、子が親を慕うという意味があります。

独鈷(どっこ)

独鈷

煩悩を打ち砕くとされる仏具(独鈷)。

華皿(はなざら)

華皿の柄

仏を供養の際、散布する入れる皿(華皿)。

【帯の柄の種類】綴(つづれ)織

綴織

綴織とは柄でがありませんが、帯の織り柄を表現する技法の一つで、その技法ならではの風合いになります。

正式には『西陣爪掻本綴織』といい、綴機という織機をして織り上げます。

まとめ

ということで、着物の柄についてまとめてきました。

着物の柄は無限に存在します。

 

さとし
これからもどんどん着物の柄は生み出されていくことでしょう。

自分に合った柄を探してみて下さい。

 

では、よき『きもの』ライフを(^^)y